ソリューション
中長期組織・人財戦略の策定
競争が激化するM&A市場では、スピードと差別化が成功の決め手です。当社は、事業ポートフォリオやシナジーの分析を通じてターゲット領域を精査し、投資価値の高い候補を特定します。さらに、経営者の共感を得るストーリーづくりや、交渉で信頼を勝ち得る具体的提案を通じ、売主に選ばれる「勝てるM&A」の実現を支援します。多角的な視点と状況に応じた柔軟なアプローチで、お客様の成長戦略を加速し、競争優位を確立するパートナーとして伴走します。
デューディリジェンス(DD)
ビジネスDDの成否は、企業内部の競争力と潜在課題の解明にかかっています。当社は、技術力やブランド力、チャネルの優位性などの表層的な強みだけでなく、人材育成システム、組織の規律、オペレーションの効率性、経営陣や従業員間の相互評価や対立関係、現場を動かす隠れたキーマンの存在といった複雑な力学まで徹底的に分析し、見落とされがちな課題と潜在力を浮き彫りにします。また、各分野のDDを統括する事務局運営や投資委員会向けの提言、契約協議を含むトータル支援を通じ、M&A全体の成功を導きます。
PMI(統合・価値創出支援)
従来のPMIにおける最大の課題は、経営基盤の統合(守り)とM&Aシナジー創出(攻め)が分断されている点です。シナジー創出に必要な基盤統合の優先度が十分に認識されない場合、収益と成長機会の最大化が先延ばしとなるリスクがあります。当社は、売上拡大やコスト削減を実現してきた実行フェーズの豊富な経験を活かし、シナジー創出に直結する統合アクションプラン、ボトルネック解消策、そして確実な推進体制を構築し、統合の遅延防止とM&Aによる価値最大化を実現します。
事業売却支援
事業売却は、ノンコア事業を切り離し、成長事業への再投資を実現する重要な戦略的選択です。一方で、売り手の情報整備や事業のポテンシャル説明が不十分な場合、買い手が事業計画やリスクを保守的に評価し、売却価格が適正に反映されないリスクがあります。当社は、売り手主導でのDD(ベンダーDD)を通じ、潜在的な懸念事項を事前に洗い出し、論理的一貫性を持った事業計画を策定することで、買い手による過剰なリスク査定を防止します。さらに、買い手が重視する収益構造や市場成長性を的確に示し、魅力を強調することで、売却価値の最大化と取引のスムーズな成立を支援します。
JV・アライアンス支援(戦略的パートナーシップ構築)
JV・アライアンスは、リソース保有やリターン分担の方法が多様であり、その構成次第で利害関係者の意見や意思決定が変わるため、合意形成が非常に複雑です。例えば、顧客資産、人員の役割分担、設備・技術の所有権、収益配分や投資負担といった要素が、どのように設計されるかによって交渉の方向性が大きく左右されます。さらに、企業内の各部署が利害関係者となることもあり、調整の手間が増大します。当社は、この複雑性を整理し、関係者間の合意形成を的確にリードします。加えて、将来的な事業環境の変化や契約解消時のリスクも見据えた契約設計を行い、双方にとって最適な収益モデルを構築し、協働体制を実現します。
アプローチ
圧倒的な価値創出実績
M&Aの成功には、売上拡大や利益改善を具体的な施策に落とし込む力が不可欠です。当社は、創業以来、成果報酬型モデルを基盤に、実務で培った「具体的なノウハウ」を磨き続けてきました。売上拡大では市場特性に応じた営業体制や顧客管理プロセスを設計し、コスト削減では業務の標準化やベンダー交渉の実行計画を策定します。これら具体的な施策を通じて、投資効果を最大化し、M&A後の収益性向上と競争力強化を実現します。
コスト削減のパイオニア
業界随一のコスト削減ノウハウを持つ当社は、約2,000社のクライアントに成果を再現するメソッドを提供し、PEファンドを含む幅広い業界から高い評価を得てきました。当社のメソッドは、標準化、最適化、交渉戦略を通じてコスト削減を実現し、M&A後の利益率向上を可能にします。統合業務やシナジー創出の複雑なプロセスにも対応できる手法で、収益性を確保しながら競争優位性の構築を力強く支援します。
高解像度の実務支援
当社は、自社グループのPEファンド「ブルパス・キャピタル」で30件以上のM&Aに投資主体として取り組み、多くのバリューアップを実現してきました。また、グループ会社「ナレッジリーン」では、買収後の成長戦略と事業改革を推進し、売上を倍増、利益を数倍に拡大。このように、自らリスクを負いながら価値創出のPDCAを実践してきた経験をもとに、机上の理論に留まらない、解像度の高い実践的なM&A支援を提供します。
柔軟なチケット制契約
M&Aでは、相手企業の反応や交渉の進展に応じて必要な対応が変化し、柔軟性と迅速性が重要です。しかし、従来型のスコープ定義に基づく手法では対応の遅れが生じ、常時リソース確保型ではコスト効率が低下します。当社の「チケット制」は、時間単位で必要なサービスを柔軟に利用できる仕組みで、効率的かつ迅速な支援を実現します。候補企業の精査、経営層向け資料作成、交渉戦略の策定・実施など、変化に即応しながら成果を導きます。
より深く知る
M&Aを成功に導くために
なぜ失敗するM&Aが多いのか?
M&Aの成功確率は一般的に50%未満とされています。成功させるためには、戦略、インディール、PMIの各フェーズで起こりうる課題を理解し、治癒に向けた適切なアプローチが必要です。戦略段階では、シナジーの過大評価や対象企業選定の精度不足が問題となりがちです。インディール段階では、DDの検討範囲が漏れている、または分析の深さが不足していることが、買収リスクの過小評価や取引条件の適正化不足を引き起こします。そして、PMI段階では、統合計画がDDで得られた情報と連動せず、現場への配慮が欠けることで、統合プロセスが停滞し目標未達を招きます。これらの課題を克服するためには、3つの段階を一貫して計画的に進めることが求められます。
楽観的な売上UPを見込みすぎている
曖昧な事業シナジーを前提とした売上見込みは、M&Aの失敗を招く大きな要因です。特に、新規顧客獲得やクロスセルといった施策は、競争環境や交渉次第で実現性が変動するため、慎重な検討が求められます。一方、コスト削減を基軸としたシナジーは、買収企業と対象企業のグループ内でコントロール可能であり、実現性が高いのが特徴です。コストシナジーDDを活用して費用項目を精査し、確度の高い削減計画を策定することで、現実的で実行可能な統合計画を構築できます。また、対象企業が過去のM&Aで見落としていたコスト削減余地を再評価し、最大限の効果を引き出すことも重要です。
現場の実情を踏まえた統合計画の重要性
企業は人の集合体であり、現場の実情を無視したトップダウン型の施策は、計画の頓挫や反発を招く大きなリスクとなります。経営陣の意思決定と現場の実行力を結びつけるには、経営層や従業員の感情、モチベーション、暗黙のルールといった組織内部の力学を理解することが不可欠です。特にPMIにおいては、現場の声を反映した統合計画を策定し、共感を得るプロセスが成功を左右します。丁寧なヒアリングを通じて潜在的な課題や隠れたキーマンを特定し、現実に即した実行可能な統合計画を策定することが重要です。
経営陣との連携による実行支援
投資先の経営陣に全てを委ねるアプローチは、M&A後の成長機会やシナジー効果を十分に引き出せないリスクを伴います。経営陣だけでは、現場の課題や統合計画の細部に対応しきれないケースが多いため、外部の視点からの支援が必要です。具体的には、進捗管理や戦略レビューの実施、また現場との調整役を担うことで、経営判断を迅速化し、実行力を高めることが重要です。経営陣と現場の連携を強化し、課題解決のスピードと質を向上させることで、M&Aの目標達成を確実にします。
PMIはいつから始めるべきか?
ビジネスDD時の統合計画
統合計画の成功は、DD段階からの準備にかかっています。戦略的議論を欠いたビジネスDDは、単なる情報収集に終始しがちで、関係者の熱意を損ない、統合後の実行力を低下させるリスクがあります。統合計画は、DD段階で買収戦略と統合後の具体策を同時に検討することで、現実的かつ実行可能な形に整備されます。特に、経営陣や現場の意見を反映した計画は、統合プロセスをスムーズに進める鍵となります。買収戦略の策定と統合計画の準備を連携させることで、関係者全員が統合後のビジョンを初期段階から共有できる体制が整います。
断絶感のある統合計画
投資先の経営陣に全てを委ねるアプローチは、M&A後の成長機会やシナジー効果を十分に引き出せないリスクを伴います。経営陣だけでは、現場の課題や統合計画の細部に対応しきれないケースが多いため、外部の視点からの支援が必要です。具体的には、進捗管理や戦略レビューの実施、また現場との調整役を担うことで、経営判断を迅速化し、実行力を高めることが重要です。経営陣と現場の連携を強化し、課題解決のスピードと質を向上させることで、M&Aの目標達成を確実にします。
現場を巻き込む統合のプロセス
統合計画を成功させるためには、経営層だけでなく現場レベルの従業員を巻き込むことが欠かせません。現場を巻き込むことで、統合後の実行力を高め、組織全体の一体感を醸成できます。特に、統合プロセスの初期段階から従業員の不安を解消し、目標を共有する取り組みが重要です。丁寧なヒアリングや初期研修を通じて、現場の理解と協力を得ることで、スムーズなPMIを実現します。
多様化するM&A類型
リソース獲得型M&A
リソース獲得型M&Aは、顧客基盤や人材、技術、ブランドなど、買収先企業が持つリソースやアセットを自社の成長戦略に組み込むことを目的としたM&A手法です。この手法では、買収先の事業収支ではなく、取得するリソースの戦略的価値が重視されます。具体例として、特許技術の取得による新製品開発、地域代理店の買収による顧客基盤の拡大、専門人材の獲得を目的としたスタートアップの買収などが挙げられます。この手法は、買収したリソースを活用して、競争優位性や事業拡大を実現する点が特徴です。
ロールアップ型M&A
ロールアップ型M&Aは、小規模で分散した企業群を統合し、規模の経済や運営効率化を実現することで、業界内での競争優位性を高めるM&A手法です。特に医療クリニック、ドラッグストア、建設業界、物流業界など、地域密着型の企業が多い業界で活用されることが一般的です。複数の企業を段階的に統合することで、コスト削減や業務の標準化が進み、効率性が向上します。その結果、市場シェアの拡大や収益性の向上が見込まれます。また、統合を通じてブランド力を強化し、業界のリーダー企業としての地位を築くことも可能です。
営業開拓型M&A
営業開拓型M&Aは、M&Aを経営アジェンダとして掲げることで、経営企画部門や役員層への提案を可能にするアプローチです。この手法により、次期中計に織り込む予定の経営課題や施策など、通常の営業では得られない情報を把握し、価格競争を避けた付加価値の高い提案を構築できます。例えば、BPOサービス企業が経理や総務の受託提案を行う際、経営レイヤーからコスト削減や業務効率化の目標を共有され、人員や契約を含む大規模譲受案件として議論を進めることが可能です。また、M&Aに至らない場合でも、BPO契約や業務請負など柔軟なスキームに着地でき、新たな営業機会の創出を実現します。