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Client Interviews

IT・DXの予算に対する課題を「状況把握」からご支援

日揮ホールディングス株式会社様

業界: 建設業

市場名: 上場

理事 デジタル戦略・IT統括ユニット 部長
井上 胤康様

※2025年03月06日現在

日揮ホールディングス株式会社

「まずはお試しで」と気軽な提案をいただき、
自社に何が必要で何が足りていないというところから議論を重ねながら
一緒に考え伴走してくれました。

プロレドにお話をいただいた背景として、御社ではIT化やDX化についての社内議論があったとうかがっています。まずは、そのあたりの経緯を教えていただけますか。

井上様:デジタルを活用してさまざまな変革をしていかねばならない、それが時代の流れだという意識が高まってきたのは、2017年から2018年ごろのことです。CDO(最高デジタル責任者)という役職を設けたのも、確か2017年だったでしょうか。問題意識自体は以前からありました。

しかし、当時は2030年というずいぶん先のことを見据え、いわゆるバックキャスティングの手法で現在の課題を考えようとしていました。言い換えると、その時点ではまだ「2030年にはこうなっていたい」という意識を持っている程度でした。トップ層はその重要性を理解していたようですが、現場の私たちには十分に浸透しておらず、コストについても「理想の未来を実現するためにはこれくらいかかるだろう」と、どんぶり勘定のような感覚でした。

その後DX化が世の中で頻繁に語られるようになり、当社でもIT予算が次第に増えていきました。ところがDX化というものはいざ本格的に進めようとすると、想定以上にコストがかかり、すぐに成果の出るものではありません。そのため社内からは「現場の私たちにはコスト削減を求めるのに、ITやDXには多額の予算をかけて、いったいどういうつもりなのか?」といった不満の声が上がるようになりました。そして私たち自身も、その疑問に対してしっかりと回答することができないという状況でした。間接費を削減しようと努力する一方で、IT予算だけはどんどん増えていく。こうした状況に、私たち自身も戸惑いを感じていました。

社内から上がる疑問の声に対してきちんと説明し、納得してもらうために、まず私たち自身がIT予算やその用途について分析する必要があるということは理解していました。しかし、具体的にどのように進めたらよいのか、その手法は暗中模索といった状況でした。

そのような状況の中で、私たちプロレドにコンサルティング業務をご依頼いただいた経緯を教えてください。

井上様:実はプロレドに限らず、いくつかのコンサルティングファームに相談をしていました。大手コンサルティングファームからは、さまざまなIT関連ツールを導入するといったご提案もありました。しかしそうしたファームは実績が豊富な一方で、当社のように「現状分析から始める必要がある」という状況を正しく理解してもらうことが難しかったのです。コンサルティングファームにしてみれば、具体的なコスト削減手法の話を進めたくなるところだったかと思いますが、私たちは「自社の状況を正しく把握する」という基本的な部分すらできておらず、そこから始めなければならない状況にありました。

そんな中、「まずはお試しで」という気軽な提案をくださったのがプロレドでした。それなら限られた予算の中でもある程度のことをお願いできそうだと考え、私たちも気軽に話を進めることができました。大きすぎず小さすぎない御社のちょうど良い規模感が、私たちにとっては魅力的だったのかもしれません(笑)。

当社としても、当初コスト削減のお話から始めた中で、それより先に「見える化」「適正化」など、やるべきことがあるということに気付きました。

井上様:何をどう進めればよいのか分かっていない中で、プロレドと議論を重ねるうちに「適正化」の考え方を意識するようになりました。

正直なところ、そういった概念について深く議論するよりも、例えば予算を一律5%削減すると決めて担当者に伝えるような進め方のほうが楽だったとは思います。しかし、それを全ての部署で一律に実施してよいのかという問題がありました。抑えるべきところは抑え、投資すべきところには適切に投資する。それが本来のあるべき姿で、そのためにどうすればよいのか、どんな仕組みを作るべきなのか、という疑問を解消しないまま次のステップに進むべきではないと考えました。

当社は今でもそうなのですが、「情報予算」という枠だけが存在し、その中で「開発」や「運用」といった用途ごとに管理してはいるものの、実際には全体の予算が一つの大きな枠の中で処理されている状態です。もちろん財務的には資産償却や経費といった分類がありますが、全体としては「情報予算」という曖昧な枠組みに収まってしまっています。それをどのように変えていくべきなのかということを考えるには、やはり自分たちの現状をしっかりと把握し、足元を固める必要がありました。

私たちが御社と関わるようになってから、まだ1年半ほどしか経っていません。そういった「足元を固める」という部分をものすごく短期間で実行されたことに驚いています。

井上様:速さが全てではありませんが、当社には「これで行くぞ!」と号令がかかると、全員が真っ直ぐに走り出す社風があります。「石橋を叩いて渡る」慎重さはなく、「目の前にマンモスがいるぞー! ワーッ!」と突進するような会社なのです。

しかし、いつまでもその方針だけで突き進むわけにはいきません。だからこそ、プロレドのような第三者の視点が必要になってきたわけです。

実は当社には、Excelをベースに他のシステムを組み合わせながら情報予算をまとめてきた “レジェンド”的な社員がいました。しかしその方が今年(2025年)の3月で65歳の定年を迎え、退職されることになりました。問題は、その業務を引き継げる人材が社内にいないことです。その方がいるのが当たり前だと思ってしまっていた中で、定年問題が突きつけられたわけです。

そこで、情報予算の管理業務を、分析の専門家である御社に任せたいという事情もありました。Excelを駆使して構築された仕組みは、それなりのボリュームがあり、かつ複雑で、社内では処理しきれない状態でした。

正直なところ、そんな重要な部分を外部のコンサルに依頼するのは少々不安でした。型にはまった教科書的な処理をされてしまうのではないかという先入観があったからです。しかし、プロレドは当社の「狩猟文化」、つまり「マンモスを追いかける姿勢」にすぐに馴染み、それを汲み取りながら対応してくださったように感じています。

私たち外部の人間が入ったことによって、なにかメリットがありましたか。

井上様:プロレドは、基本的に「NO」と言わないですよね。こちらが何か提案しても、「それはできません」「間違っています」と否定するのではなく、議論を重ねながら一緒に方向性を見つけていくことができました。そのプロセスが、当社にとっても非常によい学びになりました。

ときにはその議論が具体的な結論に結びつかない空中戦のようになってしまうこともありましたが、後から振り返ると、その空中戦があったからこそ今がある、ということも感じています。

今後の展開として、私たちに求めていることはありますか。

井上様:もちろん、コスト削減といったいわゆるコンサル的な役割も期待しています。しかしそれだけでなく、次の一手として、管理手法についてもアドバイスをいただきながら一緒に歩んでいくことを期待しています。

深い分析から資産管理の手法やプロジェクトの運営手法、さらには人事システムや財務システムのあり方まで、一貫して繋がる柔軟な視点を持っていることは、御社の大きな特長です。

今後はさらに、人事システムの評価やITシステムの費用対効果といった部分まで踏み込んでいただきたいと思っています。「DXによって新たなシステムを導入し、工数がこれだけ減りました」といった短期的な効果は見えやすいものですが、そのシステムを何年も運用し続けたときに、本当に最適な形で機能しているかを評価するのはなかなか難しいものです。

繰り返しになりますが、私たちは当初、「コスト削減」に重きを置いて考えていました。しかし、それ以前に自分たちの置かれている状況を正確に把握し、何が必要で何が足りていないかを考えることが重要であるという初歩の初歩を、プロレドがいち早く気づき、一緒に考え、伴走してくれたことは、とても有益なことでした。

今後も「コンサル業務をこなして終わり」ではなく、多方面からの視点を持ち、ともに走り続けてくれることを期待しています。

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