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HR戦略「サクセッション・プラン」の策定からご支援

株式会社JERA様

業界: サービス業

市場名: 非上場

HR統括部 人財開発部長
海野 泰様

※2025年03月06日現在

株式会社JERA

「攻め」と「守り」の両方を見据え、
統率・主導していける経営人財の育成が必要と考えています。
そうした組織課題を粘り強く伴走し、解決まで導いていただきました。

御社がHR戦略の中で「サクセッション・プラン」の策定を行おうとしている背景をお聞かせください。

海野様:ご存知の通り、現代社会では世界的な脱炭素への取り組みが必要とされています。当社でも水素・アンモニアを活用した火力発電と再生可能エネルギーを組み合わせて脱炭素社会を目指すなど、日本発・世界最先端のエネルギー・ソリューションを提供できるよう、様々な取り組みを始めています。

こうした急速な事業環境変化の中で、今後事業展開を拡大していくためには、それに対応できる組織力と、人財育成の必要性を強く意識するに至りました。将来のリーダーをしていく、いわゆる「サクセッション・プラン」が必要だと考えたのです。

御社が新たな「サクセッション・プラン」を必要とされた理由について、さらに詳しく教えてください

海野様:HR戦略には「攻め」と「守り」の両軸があると考えています。この世界的変革のさなかで組織の将来を考える時には、一般的に「攻め」の姿勢こそが重要であると考えられがちです。確かに変革に適性のある「攻め」の人財は、どの企業でも今後不可欠となっていくでしょう。その一方で、「守り」の人財は比較的軽視される傾向にあるように思います。

しかしながら、私たちのような社会インフラを担う企業には、電力などのエネルギーを安定的に供給していくという責務があります。これまでと同様に守りを担う社員たちもまた重要であり、必要不可欠なのです。

当社は現在、国内に26カ所程度の発電施設を持ち、5千人ほどの社員がいますが、その6割ほどは堅実さを求められる「守り」の責務を担っているといえます。

私たちコーポレート人事部門は、こうした「守り」の部門と「攻め」の部門が協創的に業務を遂行できるよう、双方をしっかりと支えていかねばなりません。こうした背景から、「攻め」と「守り」の両部門をしっかりと見据え、統率・主導していける経営人財が必要だと考え、当社のHR戦略に「サクセッション・プラン」を取り入れることを決めました。世間で注目されるような「攻めへの大改革」だけを追求していたわけではありません。

具体的にはどういった取り組みを行っていらっしゃるのでしょうか

海野様:概観をお話すると、まず一定の管理職になったタイミングから全員様々なアセスメントを受験してもらいます。その結果をベースに、一人ひとりが将来のリーダーとして強化すべきスキルを認識してもらいながらレベルアップを図っていきます。その中でも、資質の高い人財については本人のキャリア志向を尊重しながら、希望者にこの「サクセッション・プラン」に参加してもらいます。当プランでは、経営人財に必要なスキル・経験等をOJT(ストレッチしたアサインメント)によってレベルアップを図ってもらうことを基本方針としていますので、数年サイクルで異動していき研鑽を積んでもらいます。併せて、OJTだけでは得ることができないものについては、海外ビジネススクールへの派遣などのOff-JTによって補完しています。

御社にとって「サクセッション・プラン」の意義は何だとお考えでしょうか

海野様:例えば大きな事柄として、現在、戦火を起因としてエネルギー調達の構図に大きな変化が起こっていることはご存知の通りです。SDGs・サステナブルな社会創りという意味でも、社会的な変化は続いています。そのような中、当社のようなエネルギー企業は確固たる経営理念を持ち、それを貫いていく必要があります。目先の変化に応じて経営方針や人財育成方針が途切れる・ぶれてしまうといったことがあると、かえって時代の変化に対応できなくなってしまいます。そこで、そういった理念を体現する将来のリーダーを計画的に育成するための「サクセッション・プラン」が重要だ、ということになったのです。事業環境の変化に臨機応変に対応しつつ、自社の軸を堅持しながら舵取りができる経営人財の存在が必要であると考えました。

今、当社はGlobal CEOと、CEO兼COOという共同CEO体制を採用しています。それぞれがスキルのある有能なリーダーであるとはいえ、やはりひとりだけでJERA全体を見ることが難しいため、それぞれの強みを活かし、相互に補完し合える形を志向しています。

このような現状を踏まえ、将来的に経営を担える人財を早期かつ計画的に育成しなければならないという認識がありました。「サクセッション・プラン」は他社でも同様に重視されていると思うのですが、当社ではそれをより重点的に、オプティマリーに実施できるように動いています。

その「サクセッション・プラン」の策定をプロレドと一緒に行おうと決めた理由はありますか

海野様:「サクセッション・プラン」の策定においては、大手の他社からも様々な提案を受けていたのですが、プロレドからは「ともに伴走してくれる」といった姿勢を感じ、支援をお願いすることにしました。このHR戦略は私たちにとっても新しい挑戦だったので、「一緒に壁打ちをしながら磨いていきましょう」というフラットな姿勢で対応してくれることが決め手のひとつになったと思います。

実際に2023年に最初のご提案をいただいてからこれまで1年半以上に渡り、御社とはそれこそ毎週・毎日のような頻度で密度の高いコミュニケーションが続いています。こちらが何かに困ったり行き詰まったりしていると、先回りして解決案を出してくれますし、実務面でも細やかにサポートしてくれます。そのあたりの小回りが利く部分は、プロレドの最大の良さだと思っています。

「小回りが利く」と言いましたが、時には経営の根幹に関わる大きな課題が出てくることもあります。それこそ私たちが最初の設立時に立てた軸すらも見直す必要があるのでは、という場面さえありました。そういった場面でも相談に乗っていただき、様々な観点から深い議論ができるところもありがたく感じています。大小入り混じった課題に試行錯誤しながら粘り強く伴走し、解決まで導いていただいている、という感覚です。

これまでの「リーダーから」のお話とは逆になりますが、御社が「若手、新人に求めること」とはずばり何でしょうか

海野様:私は「人間力」と「成長のマインド」という二点が重要だと認識しています。現在の急激な変化の中では、当然誰も経験したことがない案件も出てきます。皆の頭の上にクエスチョンマークがつくような状況に直面することもあるでしょう。

そのような中で、世の中のニーズをアンテナ高く察知し、想像力を膨らませながら、どうやって解決行動まで落とし込むか、という力を持つ人を期待しています。スキルは当然として、キャラクターを合わせ持った人財、つまり「人間力」ですね。そして、自ら率先して自分を育てていきたいというマインドを持った人を発掘し、育てていく。それが今後の要諦だと考えています。特にこれからは理工系(STEM)の人財が大切になってくるでしょう。

当社は従前から「求める人財像」として四つの要素をあげているのですが、一つが「多様性」。つまり様々な意見や主張を尊重できることです。二つ目が「公正」。高い倫理観を持っているということですね。この二つが私のいう「人間力」にあたります。三つ目が「起業家精神」。多岐にわたる変化に対応でき、実際に社外に飛び出していけるほどのエネルギーを持っていることです。最後が「卓越」。プロフェッショナルとして常にアンテナを拡げ、知見を深めていくマインドセットをもっていることです。この二つのことを、私は「成長マインド」と言っています。

10年後、20年後にリーダーシップをとることができる人財を育てていくためには、ある程度息の長い施策が重要となります。ここはプロレドとも長くお付き合いしてやっていきたいなと期待していますし、うまくできているのではないかと感じています。

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