SCM/物流

リードタイムとは?物流におけるリードタイムが重要な理由と短縮の方法について詳しく解説

リードタイムとは、商品を発注してから納品されるまでにかかる時間のことを指します。インターネット通販が世界的に浸透した理由の一つが、リードタイムの短縮です。注文した翌日に荷物が届いたり、注文した商品と住んでいる場所によってはその日に届いたりする場合もあります。

この記事では、そのようなリードタイムの意味や似た言葉である納期との違い、物流におけるリードタイムの短縮方法などを詳しく説明します。

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リードタイムと納期の違いとは

リードタイム(Lead Time)とは、製品の製造、サービスの提供、プロジェクトの完了など、あるタスクやプロセスの開始から完了までにかかる時間のことを指します。
具体的には、注文が発生してからその注文が処理され、製品やサービスが顧客に提供されるまでの時間のことです。

表し方は「〇日間」といったように、注文から製品やサービスの提供までの日数で表します。一方、納期とは注文品などを納める時期・期日のことです。表し方は「〇月〇日が納期である」と月日で表します。

また、リードタイムはあくまでも目安の期間であり、たくさんある工程の合計ですが、納期は確定した日にちで、最終的に納品する日であるといった違いがあります。

リードタイムと納期の両方を把握しておくことは、顧客満足度アップや業務の効率化、在庫管理の円滑化などの観点において重要です。

物流におけるリードタイムとは

物流におけるリードタイムとは、商品・サービスを発注してから納品されるまでの時間や日数のことをいいます。この物流におけるリードタイムには、入荷リードタイム・出荷リードタイム・配送リードタイムの3つがあります。

まず入荷リードタイムは、商品が入荷してから在庫として計上するまでの時間です。入荷した商品がどれだけあり、現在の在庫と入荷してプラスされる商品の合計数を出すまでの時間を指しています。

次に、出荷リードタイムは、商品の出荷指示から出荷されるまでの期間です。倉庫内でのピッキング・検品・梱包・出荷の工程が含まれています。倉庫管理システム(WMS)の活用や、倉庫内作業の効率化を行うことでリードタイムの短縮に繋がります。

最後の配送リードタイムとは、倉庫から商品を出荷、つまりトラックなどに積み込んでから納品先に届くまでにかかる期間です。出荷元から納品先までの距離や配送方法に影響を受けます。

この3つのリードタイムをそれぞれ明確に把握し、短縮を目指すことで、全体のリードタイムの短縮に繋がります。

物流におけるリードタイムが重要な理由

物流におけるリードタイムの短縮が重要な理由は以下となります。

【発荷主(出荷元)】

顧客満足度の向上:リードタイムを短縮することで、顧客の手元に製品をより早く届けることができ、顧客満足度の向上に繋がります。

競争力の向上: 競合他社と同様の製品を同価格で販売している場合、リードタイムが顧客の意思決定を左右することが少なくありません。

市場機会の最大化: リードタイムを短縮することで、市場の需要変動に迅速に対応し、新しい市場機会や短期的な需要の急増を的確に捉えることができます。

【着荷主(納品先)】

在庫管理の最適化: リードタイムの短縮により、必要な時に正確な数量の商品を迅速に受領できるため、過剰在庫のリスクを減らし、在庫量を適切な範囲に保ちやすくなります。

物流の3つのリードタイムと短縮方法

物流の3つのリードタイムについて、重要である理由と短縮の方法について解説します。

入荷リードタイム

入荷リードタイムが重要な理由は、販売機会への対応にあります。倉庫へ商品が入荷しても、入荷処理を行い在庫計上するまでは、その商品を受注することができません。市場の需要が高まっている(人気が急騰し欠品が発生している)商品は、いち早く在庫計上を行い、出荷することが求められます。

入荷リードタイムを短縮するためのポイントは2点あります。

  1. 作業計画の立案と投入工数の適正化
    入荷作業は出荷作業と異なり、事前に商品と数量が分かっていることが多いため、作業スピードが一番早くなる作業員の配置を計画しておくことで、生産性高く作業を進めることができます。
  2. 優先順位の設定
    全ての商品について、入荷リードタイムの短縮が求められることは、通常多くありません。在庫水準が下がっている商品や新商品など、すぐに出荷したい商品の優先度を上げることで効果的な入荷リードタイムの短縮が可能になります。

出荷リードタイム

出荷リードタイムは配送リードタイムと併せて、顧客へのサービスレベルそのものとなります。競合他社と同じ商品を取り扱っている場合について、価格と並びリードタイムが重要な競争力となります。

出荷リードタイムを短縮するには、必要な出荷量に対して適切に倉庫のキャパシティを設計して運用することです。必要に応じて自動化の検討も有効となります。

配送リードタイム

配送リードタイムを短縮することによって、迅速にお客様に届けられれば顧客満足につながります。

配送リードタイムの短縮のためには、物流ネットワークを見直し倉庫や配送センター、ルート設計を最適化することが重要です。特に2024年問題により配送リードタイムは延長する傾向にあるため、リードタイムの維持に向けた物流ネットワークの再検討は必須と言えます。

リードタイムとコストのトレードオフ

リードタイムの短縮は、サービスレベルを高め、顧客満足度の向上や市場競争力の強化に直結します。その実現のために、プロセスの効率化やキャパシティの向上が必要になりますが、これらの施策は、初期投資や運用コストの増加を伴う可能性があります。

作業者の増加: 作業量の増加に対応するために追加の労働力を確保することは、短期的にはリードタイムを短縮する効果的な方法です。しかし、追加の人件費やトレーニングコストの増加に繋がります。

自動化設備の設置: 生産プロセスや物流プロセスの自動化は、作業の速度と精度を大幅に向上させることができますが、自動化設備への投資は初期費用が高い場合が多いです。

作業スペースの増加: 物理的な作業スペースを拡大することで、混雑を減らし、効率的な作業フローを確保することができます。これには、施設への新たな投資や改修が伴います。

物流拠点の新設:納品先に近い立地に新たに物流拠点を設置することで、リードタイムを大幅に短縮することができます。同時に配送コストも削減できますが、倉庫数が増加することにより、倉庫コストや在庫の増加が発生します。

2024年のリードタイムの在り方

これからのリードタイムの在り方は、2024年問題によって変化させなければなりません。2024年4月からトラックドライバーの年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることで、輸送力が減少します。

特に長距離輸送についてはこれまでのような運行計画が実施できなくなることから、リードタイムの延長は決定的といえます。実際、宅配会社は遠方へのリードタイムの変更を開始していますし、チャーター便のリードタイムも延長傾向にあります。

ここで鍵となるのは、上述した納期による管理です。突発的な顧客のリクエストに短いリードタイムで対応するのではなく、顧客からの早期受注に対し、確実に納期を遵守することでサービスレベルを維持していくことが有効となります。

まとめ

リードタイムとは、顧客がサービスや商品を依頼してから、その商品やサービスが提供されるまでの時間のことをいい、特に物流においては発注から納品までの期間のことを指します。

物流におけるリードタイムは、入荷リードタイム・出荷リードタイム・配送リードタイムの3つに分かれており、これらをそれぞれ的確に把握して短縮していくことがサービス満足度の向上に繋がるでしょう。

2024年問題も控えており、企業はリードタイムの大幅な見直しを含めた適切な策を講じることが求められています。

弊社では、倉庫生産性の改善による入荷・出荷リードタイムの短縮や、物流拠点ネットワークの再構築による配送リードタイムの短縮など、貴社の状況に合わせたご支援が可能となります。ぜひ、ご相談をいただきたく、お願いいたします。

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