SCM/物流

配送コスト削減に向けた配送ルートの最適化について

店舗や複数の得意先へ納品を行う場合、配送ルートの設定は非常に重要です。数年前に設定した配送ルートであっても、その後の配送物量の変化や配送先の変更、道路事情の変化により、必ずしも現状のルートとスケジュールがベスト、とは言えない可能性があります。

納品の頻度が少なければ、物流コストへの影響は小さいですが、毎日同じ場所へ頻繁に配送をするとなると別の話です。走行距離は最短なのか、登りが多いなど燃費に影響を与えるルートでないか、交通渋滞の多いルートではないか、駐車場所は確保できるかなど気にすべき点は多数あります。特に燃費や走行距離はそのまま物流コストに影響を及ぼします。今回は配送ルートを作成する上で注意すべき点について話をしていきたいと思います。

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まずは、現状の納品条件を正確に把握する

まず配送ルートを作成する上で抑えておくべき点は、「納品条件の把握」です。納品条件には

  1. 納品場所自体の物理的な条件
  2. 納品方法(納品ルール)

の2種類があります。これらを正確に把握しておかないとクレームや事故に繋がりますし、納品自体の効率も悪化します。それでは、一般的にどの様な納品条件が存在しているのか、見ていきましょう。

 

「時間指定」は最大の制約条件、「待機時間」は最大の敵!

時間


納品時間はいつでもOKというパターンは少なく、実際はピンポイントもしくは一定の幅で時間を指定されることの方が多いでしょう。いわゆる「時間指定」です。物流センターへの納品であれば、午前中とか何時から何時の間と指定されるでしょう。

この場合、注意すべきは待機時間です。基本的には先着順となりますが、センター側の荷受けが遅いと何時間も待たされることになります。ルートを作成する上で注意すべきポイントは、待機させられる可能性があるならば、その納品先は後回しにするか、そもそも積み合わせにしないことです。ちなみに業界的にも、この待機時間が大きな問題となっており、ドライバーの長時間労働の一因ともなっています。2017年7月には国土交通省より「貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令」が施行され、ドライバーの待機時間の記録が義務となりました。荷主都合による待機時間が常態化した場合は悪質とみなし、勧告が行われます。荷主側も待機時間を短縮するための様々な取組をしていますが、物量の波動や作業時間の遅延が生じる限り、一定の待機時間は発生するものと考えておいた方が良いでしょう。

一方で面倒なのが、店舗納品です。夜間時間帯の納品であれば細かい時間指定はないと思いますが、夜間は騒音の問題で納品を禁止している店舗があります。夜間納品のできない店舗は「AM6:00~8:00」の様に時間指定をされることになりますが、他店舗納品と上手に組み合わせることができないと、待機時間が発生したり、余計な車両が必要になったりします。
ルートを作成する際には指定納品時間から逆算して出発時間を算出します。前提条件の中で最も重要な条件ですので、事前に十分な確認をしてください。

 

配送コストの削減には、時間指定の撤廃/緩和に切り込むべし

あるクライアントは、多くの店舗が住宅地近隣にあり、その納品時間帯が「AM6:00~8:00」に設定されていました。10:00からのオープンに間に合わせる為に、納品時間は絶対に動かせないとのことでしたので、結果として30台近くの車両をこの時間帯だけに合わせて用意する必要がありました。スーパーの配送車両は1台あたり2~3運行(2~3回センターからの配送を行う)が普通ですので、この場合、時間指定対応のために1運行のみの車両が必要となります。1運行だからといって、配送コストが際立って割安になる訳ではない為、コスト面では大きなロスが発生していました。

配送コストを抑えたいのであれば、時間指定はできるだけ撤廃もしくは緩和の調整をすべきです。ほとんどのクライアントが売上機会の損失や荷受け人員を用意していることを理由に拒みますが、もし、撤廃や緩和をすることができれば、大幅なコスト低減をすることができます。あわせて、今後の車両不足も予想されることから、「現状のような時間指定が本当に必要なのか」を再考する機会を持っても良いのではないでしょうか。

 

納品場所の制約を考慮しつつも、配送効率が高くなる車両タイプを見極める

車両

次に納品条件で確認すべき重要なポイントは車両のサイズです。物流センターや郊外型の大型店舗などは10t車などの大型車で納品することができますが、繁華街などの密集地では困難です。通常は4t車のケースが多いですが、駅の近くや商店街などでは2t車もしくは3t車となります。道が狭い場合はサイズを間違えると身動きができなくなる恐れもあります。必ず事前の確認が必要です。できれば、納品開始前にドライバー経験のある方に視察して頂いた方が良いでしょう。

納品場所は問題なくとも、出入り口や対面道路は大型車では回りきれないといったケースは頻繁にあります。また、特殊なケースだと、地下に納品場所があり、天井高が低い場合もあります。この場合はトラックではなく、ワゴン車(1t)や特殊車両で納品する必要があります。

小型の車両は積載量が少ないので、非常に効率が悪く、特に4tや10tなどで納品できる店舗をメインで展開している荷主などは、ルート作成上、店舗同士の組み合わせが悪くなります。出店時は物流面からも立地に対する一定の配慮が必要です。

 

納品方法(納品場所、荷姿、付帯作業)は顧客により千差万別

納品方法は納品先によって千差万別です。業界ルールもあれば、特定企業固有のルールもあります。納品方法については荷主の営業担当者が商流上の契約条件として取り決めている場合があるので、事前確認が必要です。また、納品方法によって拘束時間が大きく変わりますので、荷主から正確な情報を入手することを強くお勧めします。

〈物流センターに納品の場合〉

パレット積みの場合、ドライバーがフォークリフトを使用して下ろす場合と、納品先の担当者が降ろしてくれる場合の2種類があります。直積みの場合はパレットやカゴ台車等の搬送機器へアイテム毎に荷降ろしをしていくというのがスタンダードです。

また、荷主によっては*²ソーターへ荷物を投入するようになっているセンターもあります。また、物流センターの納品ではドライバーのヘルメット着用やフォークリフトの免許証携行、輪止めの使用はもはや一般的となっています。納品先の基準に適合した配送会社、ドライバーを選択することも重要です。

〈店舗納品の場合〉

指定場所(バックヤードや店舗通路)にカゴ台車や*¹カートラックを置いていくというのが普通です。合わせて生鮮品の納品では保冷庫に納品をしたりする場合もあります。同時に店舗納品では使用済のカゴ台車や*¹カートラック、容器類を回収することが一般的です。
また、ルート作成と直接関係はないですが、夜間納品の場合はセキュリティーの解除と施錠という難易度の高い作業が追加されます。セキュリティー会社が統一されている場合は良いですが、まちまちの場合もあり、操作方法を誤ると発報して警備会社の出動費用を請求されたりすることもありますので、店舗別にセキュリティマニュアルを準備しておくことをお勧めします。

〈納品時作業付帯の場合〉

特殊な例として、病院納品の様に、館内の複数納品箇所をめぐり、それぞれ棚へ格納と新旧品の入れ替えを行うというケースや立ち会いで全数検品を荷受け担当者と一緒に行うというケースもあります。また、スーパーやドラッグストアの物流センターでは店舗別の商品仕分けをドライバーが行うという納品先もあります。

以上の様に、それぞれの納品方法によって必要な時間が異なります。ルートを作成する上では、納品方法を把握した上で、必要な時間を考慮する必要があります。特に大型車での*²ソーター投入や店舗仕分けなどは作業負荷も大きく、拘束時間も長くなります。荷主とのコスト交渉は勿論ですが、補助作業員を同乗させるなどの検討が必要です。

この納品条件のバリエーションの多さが日本の物流を複雑化させていると言えます。今後、ある程度の共通化や簡略化を進めることができれば、物流業界全体のコストダウンや労働時間短縮につながっていくと考えられます。

 

納品場所の近隣環境まで把握する必要あり

納品場所の周辺環境は注意をしておく必要があります。例えば、周辺に学校がないか、住宅地がないかなどです。通学時と納品時間が重なる場合は細心の注意が必要ですし、夜間や早朝の納品は騒音などの対策が必要です。また、商店街や駅周辺などでは駐車許可証が必要な場合があります。思いのほかクライアントには周知をされていない場合もありますので、念の為、確認をしておいた方が良いと思います。

この様な場所は必ずしも納品場所の近くに駐車をできるとは限らないので、駐車場所と納品までの経路を事前に確認し、納品時間に反映しておくことが重要です。また、時間調整を行う場合には待機場所が近隣にあるのかどうか、事前に確認をしておくことをお勧めします。

 

トラック平均走行速度は、都内だと時速20km以下

トラックの一般道での平均走行速度が何kmなのかご存知ですか?

「法定速度なので、40kmや60kmでは?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、一般道には渋滞や信号がありますし、法定速度を守れば実際には20km以下で、日中の都市部だとより遅くなります。高速道も常に一定の速度で走行しているわけではなく、強弱や休憩もあるので、実際には80kmや100kmで継続的に走行している訳ではありません。

ルートを作成する際にも走行時間を算出する際はこの平均速度を使用して概算値を算出します。例えば、一般道を使用して50km先の納品先に行くには、50km÷20km/時=2.5時間(時間=道のり÷速さ)ということになります。現在では、ナビや地図ソフト、ルート検索アプリで渋滞を加味したルートと時間を算出することができます。これらのソフトやアプリも道路の混雑状況や時間帯別に設定された平均速度のパラメーターを使用して計算を行っています。実際に精度も高く、ほぼズレがない結果となっています。

手計算を行うことはあまりなくなっているかもしれませんが、納品先までの必要時間を算出する場合は道路状況や選択したルートに基づいて平均走行速度の調整を行って時間を算出します。

 

納金先別の“荷降ろし時間”はバラツキが大きいため注意が必要

他にも配送ルートを作成する上で、必ず考慮すべき時間は「積込み時間」と「荷降ろし時間」です。積込みは、センターから出発するために必要な準備時間を指します。一般的な作業内容は以下の通りです。

 “積込み”とは?

  • *³バースもしくは待機場所に車両を駐車
  • 受付(配車事務所)で受付
  • 荷物を確認し、積込み(検品や積み直しをする場合もあり)
  • 事務所で伝票一式を受領し、出発

これらで大体1時間はかかります。一方でパレット積み且つ単一商品を積込むだけであれば30分程度で完了する場合もあります。次に納品の場合は以下の通りです。複数のパターンをご紹介します。

“納品”とは?

〈物流センター納品の場合〉

  • 待機場所に駐車し、受付
  • *³バースに接車し、荷降ろし
  • 受領印を貰って、出発

センター納品の場合は納品までの待機時間次第になります。待機時間がなければパレット単位の荷降ろしで30分~1時間程度で終わります。一方でパレットへ積み直しを実施したり、入庫検品に立ち会えば時間はかかりますし、付帯作業があればその作業の工数に応じて納品時間は延びます。

〈店舗納品の場合〉

  • 所定の場所へ駐車(セキュリティーがある場合は解錠)
  • 荷降ろし、所定の場所へ搬入、納品
  • 空搬送機器や空容器等の回収物を回収し、積込み
  • 受領印を貰って出発(夜間は前日分を回収、セキュリティーがある場合は施錠)

店舗納品についても、店舗通路まで搬入する場合や冷蔵設備に搬入する場合もあります。物量によっても異なりますが、大体30分から1時間程度で完了します。回収物についてはバックヤートが狭かったり、整理されていないと納品と回収が大幅に伸びます。

また、棚納品などの特殊作業については作業工数に応じて納品時間は伸びます。また、都市部では駐車禁止対策として、コインパーキングの利用や納品場所から離れた場所からの納品もありえます。

〈医療及び福祉関連施設への納品〉

病院や福祉関連施設の納品には細心の注意が必要ですが、納品方法も特殊な場合が多いです。受付に行って荷物を受け取ってもらう「軒先渡し」は少なく、施設内の所定場所へ納品するケースが多いです。また、院内や施設内で複数箇所に納品するケースも多く、階層の移動や鍵の解錠、敷地内での車両移動が伴うケースもあります。

患者さんや高齢者との事故を防止するため、大型の搬送機器は使用できないことも多く、何度も手押し台車で往復をすることもあります。また、搬送用エレベーターがない場合は一般の患者や医療スタッフを優先するため、何度も待たなければならないこともあります。
更に納品条件によっては、棚に納品を行い、新旧を入れ替えたり、立ち会いで全数検品を行う場合もあります。

医療及び福祉関連施設については事前に施設ごとの納品条件を把握した上で、納品時間を設定してください。

〈大規模工場の納品〉

大手メーカーの工場などは納品条件が非常に細かく、厳しく設定されている所があります。病院と同様に、工場内の施設毎に納品を行い、施設毎に納品条件が異なったりもします。こちらも事前に特殊な納品条件やルールがないか、十分に確認した上でルートの作成をした方が良いです。

ここまで積込み時間と荷降ろし時間についていくつかのパターンについてお話をしてきました。特に荷降ろし時間についてはそれぞれの納品条件によって必要な時間も大きく変わります。必ず事前に荷主に確認をとるようにしてください。また、荷主側は営業担当に、きちんと納品条件を纏める様に社内的なルール整備の実施をお勧めします。

「平均物量」、「最小物量」、「最大物量」の3シナリオでの最適ルートを想定せよ

ルートを作成する上で車両の台数を左右するのが物量です。物量には日々波動があるので、どうやってルートを作成すれば良いのかと質問を受けます。当然、毎日の物量を元にルートを作成し、その結果、車両を手配することができれば一番良いのですが、限られた時間の中で、そんなことは現実的に困難です。

お勧めなのは、まず平均物量で基本ルートを作成し、物量が多い場合(MAX)と少ない場合(MIN)でルートを作成しておくと良いと思います。そうすると平均時の車両台数と最大時の車両台数がそれぞれイメージできます。物量増時に最も困るのが増便の確保です。ある程度事前に物量を把握することができれば、物量増時のルートを参考に、必要な増便を早めに確保しておくことができます。

“積載率は100%に近いほど理想”とは限らない

積載率ですが、実際の配車では100%に近づけば近づくほど良いのですが、現実的に100%になることはあまりないと思います。そもそもこの積載率ですが、何を分母にするのかによって変わってきます。例えば10t車には*⁴T11のパレットは16枚積載できますが、当然16枚積載すればパレット数での積載率は100%になります。しかし、実際にパレット自体にたくさんの荷物が載っている場合と少量しか載っていない場合では大きな差があります。逆に重量10t(普通は16パレット積載可)を積載できるトラックに1tのパレットを10枚載せたら重量では積載率は100%となります。スペースは空いているかもしれませんが、それ以上積むと過積載となります。トラックの場合、法令上実重量で制限があるので、容積で積載率を見ていたとしても、実重量に問題がないかは常に注意を払わなければなりません。

よくある事例ですが、スーパーの生鮮品(チルド)の店舗配送ではカゴ台車や*¹カートラックを使用します。これらの台車は飲料などの液体が満載で載ると重量が200kg近くになることもあります。例えば標準サイズの4t車ではW1,100mm✕D800mmのカゴ台車では14台載ります。しかし、重量200kgの台車が14台乗ると、2,800kgとなります。4tの保冷車でゲートなどがついていると積載量が2,400~2,800kgぐらいが普通ですので、車格によっては14台載せられないということになります。事前にそれぞれのカゴ台車の重量が把握できれば良いのですが、仕分けの結果によって異なるので、なかなか予測は困難です。従ってこの場合は予め積載率を80%などに設定し、カゴ台車を12台でルートを作成しておくと安全です。車両台数とコストの増加を懸念して、過積載への疑念を抱きつつも無理やり積込むのは絶対にやめましょう。

配送先のルート順は“近場から”が基本

ルートを作成する際に良く相談されるのが、複数の納品先がある場合、配送先をどのような順番で回るかという質問です。基本的には近場から回ることをお勧めします。ただし、状況は日々変わりますので、納品時間を守るということを前提に考えれば、必要に応じて順番を変えることは悪いことではありません。
ここでは、良くあるパターンをいくつかご紹介します。

〈納品時間が厳しい場合〉

各納品先の納品時間が厳しい場合は出発地から近い納品先順に降ろしていく方が良いです。遠方から荷降ろしを行おうとすると、その途中で渋滞などに捕まってしまう可能性があります。その場合、全ての納品先で遅延となる可能性が高くなります。近場から納品を行っていけば、最終的に全滅は避けることができるかもしれません。

〈回収物がある場合、ない場合〉

納品終了後に回収物がある場合は、出発地に戻る必要があります。従って、納品は遠方からでも近場からでも、良いのですが、回収物がない場合は、近場から降ろすように指示をした方が良いです。全ての納品終了後はフリーになるので、早めに配送会社をリリースし、別の仕事に向かわせることもできます(他の荷主の仕事と組み合わされていれば支払いが割安になる可能性もあり)

〈納品時間帯〉

夜間は道路が空いていますので、遠方から納品を行っても問題はないと思います。逆に夕方や早朝は渋滞に捕まる可能性が極めて高くなりますので、遅延リスクを考慮して近場から降ろしていくほうが良いです。

説明図

 

 

高速道路は有効に活用しましょう

高速道路

高速道路を使用するとコストが高くなるので、できるだけ使用しないという「暗黙のルール」が物流業界には未だに根強い様に思いますが、この考え方は見直したほうが良いです。高速道路を使用して全体の拘束時間を短縮することができれば、更に別の業務や別の店舗納品を行うことができるかもしれません。

高速道路を使用した場合と不使用の場合で比較をした際に、使用した場合の方にコストメリットが出るのであれば、積極的に使用すべきです。また、残業が発生した場合も高速道路を使用したほうがコスト的に割安なのであれば、積極的に使用すべきです。コストだけではなく、ドライバーの労働時間も短縮することができます。

 

配送ルートの効率化には荷主側/納品先側の協力も必要

ここまでは物流側で努力できる部分にフォーカスをあてて話をしてきましたが、荷主(非物流担当者)側でも努力できることはあります。物流の効率を考えている荷主は、新店舗を出店する場合に、近隣に既存店舗があり、物流上、孤立しない様に出店していきます。仮に地方等の遠隔地に出店するとしても、1店舗を単独で出店すると物流面で効率も悪く、高コストになってしまうため、数店舗をかたまりにして出店していきます。

出店時の条件考慮をすることで、配送効率もあがりますし、近場にデポを設置することもできます。良くある事例で、首都圏をメインでビジネスをされているクライアントが地方に展開していく際に、1店舗を単独で出店するケースがあります。

この場合、デポを設ける規模でもないので、やむをえず既存の物流センターから長距離でチャーターを手配することになります。この場合、配送コストが莫大になり、店舗の収益を圧迫することになります。戦略的な場合は別ですが、本格的に出店していくのであれば、物流上の戦略も加味することをお勧めします。

 

物流の効率を反映した店舗設計も検討の余地あり

あまり多くはありませんが、直営店舗を運営しているクライアントの中には物流部や3PL業者に対して、新店舗をオープンする際は計画段階から物流面のチェックを入れているところもあります。具体的には、駐車位置の確認、床の高さ、納品動線のチェック、スロープの確度、仮置き場の広さや搬入出口の高さと広さなどです。安全上の問題の他、いかに効率よく納品と回収を行うのかを主眼にその様な取組みをされています。当然、全ての要望を取り入れられるわけではないですが、できるだけ物流側の意見も取り入れるという姿勢は納品時間の短縮と物流コストの削減にも大きく寄与します。

 

まとめ

現在では配送ルートの作成が配車システムやアプリで作成できますので、どこの会社でも配車結果に大きな差はないと思います。しかしながら、納品条件などはパラメーターで設定できない場合もあるので、この部分は個別に反映させていくことが必要です。いずれにせよ、配送ルートの作成や適正化で重要な点は納品条件を詳細に把握し、纏めておくこと、そして都度アップデートを怠らないことです。この部分は荷主も物流業者側も意外と体系化されていない場合が多く見受けられます。
配送の条件整備や情報共有の方法がわからない、配送ルートの適正化を図りたい等のご要望がある場合は、是非プロレド・パートナーズへご相談ください。

*本コラム内の用語
*¹カートラック=6輪もしくは4輪の搬送機器。中板を設置することができる
*²ソーター=主にコンベアもしくはパン(皿)形式の自動仕分け搬送機
*³バース=トラックの駐車場所
*⁴T11=パレットサイズのこと、(縦)1,100mm✕(横)1,100mmのサイズ

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