ネットワーク(WAN+LAN+インターネット回線)のコスト削減術

社内のDX化を推進する動きが加速し、各分野でITやIoTをめぐる一連の変化が起こっています。このような情勢の中、いかなる業種業態であってもITを取り巻く変化に常に対応する必要があります。それに付随して、企業活動におけるIT予算は業種や規模によってばらつきはもあるものの、増加の一途をたどっており、この傾向は続くものと考えられます。特に業務プロセスの効率化や迅速な業績・情報の把握、集客力強化は大きな課題となっており、関連するシステム導入費/保守費が大幅に増加しております。

しかしながら、企業としてもIT予算を無尽蔵に確保できるわけではないため、抑えられる(=適正化できる)費用は抑え、抑えたコストを強化すべき領域に投資することで、予算増加率を抑えつつDX化を進めていくことが重要になります。ことネットワーク回線(LAN+WAN+インターネット回線)については企業活動に最重要なインフラであるため「コスト適正化の取組みによって品質が悪化した際のリスクが大きいのではないか」とご懸念を頂くこともありますが、現状を正確に捉えた上で、正確なアプローチを実行し、そのようなリスクを回避しつつコストの適正化を図ることができます。また、ネットワーク回線はご利用状況や利用目的に沿ったコストの最適化をすることで、品質アップを行いつつ予算低減を図ることも可能な費目であります。

ネットワーク費用のコスト構造

社内ネットワークのコストは大きく以下の3種に分類されます。

  1. LAN(Local Area Network)
  2. WAN(Wide Area Network)
  3. インターネット回線

以下でそれぞれの構造についてご紹介いたします。

1.LAN(Local Area Network)

LANを構成する要素としては

①コンピューター(クライアントPC/サーバー)
②伝達媒体(無線/有線)
③ネットワーク機器(ルーター/スイッチングハブ)

の3点が挙げられます。回線サービス提供事業者からそれらの要素におけるどこまでを提供頂くかは場合によりますが、回線事業者経由で③ネットワーク機器(ルーター/スイッチングハブ)におけるレンタル/保守サービスを受けることが多くございます。
※実際の使用有無を問わず、一定の金額が発生します。

2.WAN(Wide Area Network)

WANの構成要素としては、各回線事業者のLAN同士を接続するためのサービス品目が挙げられます。(IP-VPN/広域イーサネット/インターネットVPN 等)一般的に、現状の利用実態や課題感から、回線品質やセキュリティレベルを考慮の上決定しますが、品目によって金額の差が大きく、コスト対品質のバランスが重要となります。

3.インターネット回線

インターネット回線の大枠の構成要素としては、プロバイダ料金+インターネット接続回線料金で構成されます。各拠点またはデータセンター等を経由したトラフィックを外界へ接続する回線ですが、回線の種別(ギャランティ/ベストエフォート 等)や契約帯域によって大きく価格が異なります。

プロレドのネットワークコスト削減手法とは

次に、当社がプロジェクトを実施させて頂く場合の特徴やアプローチ概要をご説明いたします。

1.現状ネットワーク回線構成に対する示唆/トレンドを含んだ提言が可能

今までのネットワーク構成としては、インターネットへの出入口を1か所2か所に絞り、そこにゲートウェイを設置し、社内閉域領域と社外領域の出入りを監視・制限するような形態が主流でありました。

しかし、この形態をとっている企業は、コロナウイルスによるリモートワークの増加等によってトラフィックが増加し、インターネットへの出入口でのデータ処理が膨大となり、業務への影響がでている場合が多い状況です。当社が取組みを進めていく場合、コスト効率化を軸としつつも、ニューノーマルに対応したインフラの構築を同時に図ることを検討いたします。

2.既存お取引先様(回線キャリア様 等)及び新規お取引先様との折衝

現在のご利用状況や仕様、今後のご利用方針やご意向をお伺いし、コスト最適化の方針案を提案・合意させて頂いた後、その内容にそって既存お取引先様及び新規お取引先様とお打合せを行い、最適な提案を取得いたします。

図1 現状把握からアプローチ検証までの流れ

IT費目コスト削減

図2 現状把握 ー拠点(回線)毎のトラフィック分析ー
回線毎のデータご利用状況を時間帯別/日別に分析し現在の回線スペックが実情にマッチしているのか確認を行います。

図3 現状把握 ーアプリケーション毎のトラフィック分析ー
1ヶ月間程度代表的な拠点に機器を導入することでアプリケーション毎のトラフィック状況をモニタリング・分析いたします。

3.新契約後のサポート

既存お取引先様(回線キャリア様 等)及び新規お取引先様よりご提案を頂いた後、その内容をとりまとめて報告を行います。それら提案からご希望の提案をご採択頂き新契約の締結にいたりますが、契約締結後におけるスケジュール管理や進捗管理までサポートいたします。

ネットワークコスト削減事例

次に、過去のプロジェクト事例を記載いたします。

1.ネットワーク回線事業者の切替/SD-WAN導入におけるコスト削減事例

業種・業界    :卸売業
売上規模     :1,000億円~1,500億円
拠点数      :約50拠点
取組み結果    :既存料金と比較し約▲35%の価格低減を実施
詳細          :コストを削減しつつトラフィックの最適化を実施

ネットワークコスト削減事例

2.現行ネットワーク構成での価格低減コスト削減事例(回線事業者/回線/機器の切替・入替等なし)

事例①
業種・業界    :ホテルレストラン事業 等
売上規模     :1,600億円~2,000億円
拠点数      :約100拠点
取組み結果    :既存料金と比較し約▲10%の価格低減を実施
詳細       :あるITベンダーを経由し、複数のキャリア回線を敷設していた。キャリアではなくITベンダーとの協議を実施。回線やネットワーク機器の変更なく、回線提供単価の低減を実現。

事例②
業種・業界    :製造業
売上規模     :500億円~1,000億円
拠点数      :約20拠点
取組み結果    :既存料金と比較し約▲5%の価格低減を実施
詳細          :あるITベンダーを経由し、特定のキャリア回線を敷設していた。
       今後の利用方針を考え、回線事業者や現行の仕様変更せず、
       各種単価の低減を目的とすることで合意。
       キャリアではなくITベンダーとの協議を実施。ネットワーク機器の保守費の低減を実現。

まとめ

ネットワーク費用のコスト削減についてご紹介しました。最適なコスト削減を実行するには、以下の手順が重要となります。

  1. スペックや必要要件の把握
  2. 想定アプローチの検討
  3. 適正価格を踏まえた協議と契約締結後の進捗管理

しかし、企業活動に重要なインフラであるネットワーク回線は、安易な他社切り替えが難しいこともあり、自社内でのコスト削減は大きな工数とリスクを伴います。

プロレドでは、豊富な経験を持ったIT費目のスペシャリストが複数在籍しております。サプライヤーの特徴を熟知しておりますので、サプライヤーとの関係性を維持しながらネットワーク回線コストの適正化を実現いたします。ネットワークのコスト削減について、外部の専門家やコンサルティング会社の活用をご検討の際は、どうぞ安心してプロレドへご相談ください。

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