1. 各拠点で、何をどこから購入しているかわからない(購買体制を可視化できていない)
2. 商品数が多すぎて何から手を付けて良いかわからない(優先順位付けできていない)
3. コスト削減するための具体的な方法がわからない(手法に関する知識がない)
分類 | 詳細 | 取引先 | 金額(円) |
---|---|---|---|
生鮮食品 |
牛肉 | A社 | 113,972,495 |
B社 |
107,647,044 | ||
C社 |
48,537,748 | ||
豚肉 |
D社 | 95,276,301 | |
E社 |
32,359,811 | ||
F社 |
17,840,069 | ||
鶏肉 |
G社 | 54,800,965 |
1. 生産者/メーカーとの直接取引
2. 商社との取引
3. 問屋との取引
図3 食材調達の取引
調達方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
①メーカー/生産者との直接取引 |
・中間業者を通さないため、安く仕入れられる
・商品のトレーサビリティが容易である |
・緊急時は自社で対応する必要がある
・物流の手配等が必要であり、取引先が複数となる |
②商社との取引 |
・原料調達力が高い
・生産から加工まで携わるため、カスタマイズが可能 |
・在庫責任は、自社が持つ場合がある
・小ロットへの対応が難しい |
③問屋との取引 |
・取引先を一本化できる
・緊急時への対応が早い |
・中間業者を通すため、割高となる
・商品のカスタマイズは不可 |
【過去事例:既存商品の見直しにより▲10.8%の単価削減】
ホテルA社の喫茶店で提供されているコロッケバーガーは、昔ながらの味が評判の看板商品でした。使用している冷凍コロッケは、問屋経由で大手食品メーカーB社から仕入れていましたが、単価の見直しは長年行っていませんでした。
弊社がこの商品のコスト削減余地を検討するにあたり、まずは商品の仕様(重量、成分、原料の産地、温度帯)、加工方法、包材、配送方法などの情報を調べ、商品1個あたりの原価を算出しました(図5)。その結果、メーカーおよび販売店の利益を確保しながら、現行価格からの削減が可能であることがわかりました。
大手食品メーカーB社とは、単価の大部分を占める原材料費について協議を行いました。B社へのヒアリングのなかで、B社は既存商品で使用されているウインナーより、ハムの調達力の方が高い(=安く仕入れることができる)ことがわかりました。一方で、昔ながらの味を変えたくないというA社の要望を実現するため、香りづけに燻液を使用したり、調味料の種類や量を工夫したりしながら複数回の試作を重ねました。最終的に、A社の要望である風味を再現した上で、▲10.8%のコスト削減を実現しました。
食材の原価を把握するためには製造・加工・販売という一連の専門知識が必要となります。
難易度が高い分、取引先側にも全工程を把握している営業担当者は少ないことから、原価構成に関する知識を持っていることは、取引先との交渉で有利に働きます。コスト削減の対象となる商品については、最低限の知識として持っておくとよいでしょう。
図5 冷凍コロッケの原価推計
食品ロスの廃棄コストは上昇傾向にあり、コスト削減の観点からみても、食品ロスの削減(量の削減)はますます重要となってきます。廃棄物処理コストの単価の削減については、「廃棄物コスト削減プロジェクト事例」をご参照ください。