輸配送の管理について

輸配送の管理について

一般の人が物流という単語を聞くと「物流」=「輸配送」というイメージが湧くほど輸配送は物流において重要な要素です。実際に輸配送は物流コスト全体に占める割合も大きく、配送単価の増減は即座に物流費全体に大きな影響を及ぼします。あわせて、輸配送における安全対策は社会的責務であり、事故が発生した際の影響は経営を左右するリスクとなりえます。

更にコストや安全と合わせて、品質も重要な要素です。企業間の物流では従来から業界ごとの品質基準が存在しますが、昨今はEC関連の増加により、個人に対しての輸送品質が一層重要となっています。そこで、今回は「コスト」、「安全」、「品質」の3点から輸配送の管理についてお話をしたいと思います。


目次[非表示]

  1. 1.①コスト
    1. 1.1.外部の運送会社へ委託している場合(荷主の場合)
      1. 1.1.1.現状の配送料金が適正かどうかを把握している物流担当者はほとんどいない
      2. 1.1.2.チャーター便では、同一条件にも関わらず契約料金のバラツキが散見される
    2. 1.2.輸配送業務を外部委託している場合の4つの重要なポイント
    3. 1.3.自社配送(車両とドライバーを保有)の場合(配送会社の場合)
      1. 1.3.1.ドライバーの人件費は低い水準だが、当面は値上がり基調が続く
      2. 1.3.2.「人件費」「燃料費」ともに今後も単価が下がることはないと肝に銘じるべし
      3. 1.3.3.単価見直し以外の現場の工夫や抜本的な見直しがコスト削減には必要
    4. 1.4.それでも、物流業界で勝ち抜いていくためには
      1. 1.4.1.値上げは「最終兵器」、交渉には万全の準備を
    5. 1.5.「物流会社向けの営業支援サービス」を活用してみるのもあり
  2. 2.②安全管理
    1. 2.1.安全管理を怠る企業は生き残れない
    2. 2.2.安全管理への投資は必要コストであり、経営リスクを最小化できる
  3. 3.③品質管理
    1. 3.1.ドライバーという仕事は、過酷な肉体労働も伴う厳しい仕事
    2. 3.2.対処療法ではなく、トラブルの真の原因を解決するのは経営陣の使命
    3. 3.3.経営者の真剣度で現場のプロが育つ

①コスト

価格


​​​​​​輸配送コストの管理が甘いと“配送費の値上げ”を突き付けられます!

最近、輸配送コストの高騰に頭を抱えているクライアントから多くの相談を受けます。現在はリーズナブルな単価で配送会社と契約をされているクライアントも今後の値上げに怯えているというのが実情です。皆さんも、ネットで買い物をすると、以前は無料だった送料が有料になっているケースが増えていませんか?これは、今までは“送料無料”と謳っていた販売者が配送コストの負担を出来なくなっている為です。

物流サービスは本来無料ではありません。輸配送に限っても「ドライバーの人件費」「燃料費」「車両費」「メンテナンス費」「保険料」「配送会社の管理費」と様々なコストが掛かっています。特に人件費や燃料費は高止まりしており、今後も大きく下落することはないでしょう。そこで重要となるのは「輸配送コストの管理」です。

輸配送のコストは外部委託している場合と自社で管理している場合で管理方法は変わります。ここからはそれぞれのケースで注意すべき点について述べていきます。

外部の運送会社へ委託している場合(荷主の場合)

大手企業でさえ、配送会社との料率や諸条件を正確に把握できていない
外部委託というのは、宅配便業者や路線便業者、運送会社等に荷物の輸送を委託することを指します。最近値上げの要請を受けた人は把握しているかもしれませんが、そもそも各社との契約内容の詳細を把握できていますでしょうか?

実は昔から契約をしている場合、5年または10年以上契約内容を見直したことはない、もしくは現在の契約料金についても、物流担当者でさえ正確に把握しきれていないというケースは少なくありません。

現在は配送料金が値上げ基調ですので、大部分は過去の安価な料金のまま継続しているという場合が多いため、市況と比較すると安価に契約できているという状態であっても実は非常に危険です。この様なクライアントは当然、各配送会社からは真っ先に値上げ対象となりますので、いつ値上げの要請が来てもおかしくありません。

経済状況がお世辞にも良いとは言えない状況で、突然値上げが来たらどうでしょう?突然、トラックの配送会社から現状の1.5倍~2倍近い値上げ要請を受けて、受け入れるしかなかったという話も珍しくありません。そもそも配送会社の値上げを事前に予算に組み込んでいる会社は少ないでしょうから、経営に対するダメージはかなり大きくなります。

一方で、スタートアップ企業の様に成長著しい企業は設立当初に取り決めた配送単価で契約を継続している場合があります。スタートアップ企業は事業開始時には取扱物量も少なく、与信上も不安がある場合が多いので、配送会社は通常高めの配送単価を設定し、付帯条件等をつけている場合があります。そして何よりも事業拡大に注力をするあまり、担当者がコスト管理に手が回っていないということもあります。こういったクライアントは契約条件の見直しによって配送単価が引き下がる可能性もあります。

現状の配送料金が適正かどうかを把握している物流担当者はほとんどいない

次に皆さんが契約している各社との契約料金ですが、相場と比較してどうでしょうか?「自分の会社の契約料金が相場と比較してどうなのか、わからない」というのがクライアントから良く聞く声です。

一方で同様に多いのが、自分の会社の契約料金に自信を持たれており、『物流費も高騰している中で、これ以上料金は下げられるはずがない』という声です。

勿論、契約条件の見直しを定期的に実施しており、割安な契約料金で契約されているクライアントもいますが、実際に相場と比較すると“高い”もしくは“見直し余地がまだある”という場合が少なくありません。見直しを頑なに拒絶される担当の方がいらっしゃる企業ほどこうした場合が多いのです。

しかしながら、これはやむを得ない部分もあろうかと思います。物流部門の社員に長期間人員の入れ替えがなく、特に外部の人間の流入がなければ、相場との比較は困難です。せいぜい、配送会社との会話の中で相場感を感じる程度ではないでしょうか。配送会社も自ら値下げを申し入れてくる会社は稀ですから、決して珍しいことでもないのです。

チャーター便では、同一条件にも関わらず契約料金のバラツキが散見される

さらに輸配送の契約料金の把握という観点でいうと、チャーター便を多く手配されているクライントで見受けられるのが、「契約料金の不一致」です。

当然、チャーター便の場合、同様の輸送区間でも季節や時間帯等、配送会社によっても料金は異なります。しかしながら、良く見受けられるのは同条件でも異なる単価で手配をしているケースです。

この理由は、いつも依頼している配送会社で車両を手配できなかったなどの理由もあるのですが、そもそも契約単価を把握していないというケースもあります。

これらの原因は様々ですが、昔ながらの配車担当者の頭の中にだけ契約単価は記憶されており、体系化されていない。そして、その同僚や部下がおぼろげな感覚で手配しているという、好ましくないケースもあります。

一般的に、普通の配車担当者は通常の契約単価より若干割高で手配せざるを得なくても、なるべくその差額を抑えようとするはずです。しかしながら、現状の契約単価をきちんと把握していない配車担当者は配送会社の言い値に従わざるをえません。チャーター便の配車というのは属人的になりやすく、素人は口を出しにくい領域です。他人が支払い実績を細かくチェックすることがなければ、周囲が不一致に気づくことも少ないでしょう。

各配送会社の“得意”⇔“不得意”な分野を把握した上で、委託先を選定すべき
ここまでは、相場との比較や契約料金の相違について述べてきましたが、次に各配送会社の効果的な使用について解説していきたいと思います。俗に言う「正しい配送モードの選択」です。詳細については別途詳しく述べたいと思いますが、配送会社にも得意分野や強みがそれぞれあります。また、料金体系もそれぞれ異なっており、自社の物流の特性に合った、最も競争力のある単価の配送会社を利用することがベストです。また、配送会社側としても得意分野や強みを生かした契約をしてもらえれば、魅力的な料金提示をしやすくなりますし、品質も担保することができます。

契約料金と同様に配送会社についても長くお付き合いしているので何となく利用している、というクライアントが多く見受けられます。もしかしたら見直しをすることでコストダウンや品質の向上を図れるかもしれません。

輸配送業務を外部委託している場合の4つの重要なポイント

  • “見える化”:契約書や見積もりは誰の目にも触れられる様にきちんと管理をする
  • “相見積り”:契約料金は定期的に見直しを行う
  • “脱・蛸壺”:自社の契約内容を定期的に外部の目で比較する
  • “複数社取引”:各配送会社の得意分野や強みを理解し、最適な輸送モードを選択する

数年に一度は「外部の専門家」による徹底見直しを!
契約内容を外部の目から比較したり、最適な輸送モードの選択をしたりというのはノウハウや経験、知見が必要なので、自社で行うのは困難かもしれません。その場合は様々な配送会社を利用する3PL企業やコスト削減コンサルティング会社を利用するのも一考だと思います。

その場合、我々プロレド・パートナーズを候補に入れて頂ければと思います。数千社に登るクライアントの実績や物流専門コンサルタントによる診断及びコンサルティングサービスを成果報酬で受けることが可能です。是非、ご検討ください。

配送会社との密なコミュニケーションで信頼関係を構築することが重要
最後に外部委託のコスト管理で最も重要なポイントを述べます。

それは「配送会社との密なコミュニケーション」です。『そんなのは当たり前の事だろう』と思われるかもしれませんが、密なコミュニケーションを取るというのは簡単なようで難しいものです。

最近いつ配送会社の社長や支店長と話をされたか、この話を聞いてドキッとされた方は少し思い返してみてください。意外とこれができていないクライアントが多くいらっしゃいます。

「下手に会うと値上げを持ちかけられるかもしれないし、文句を言われるので面倒で」

確かに、心情的に理解できない訳でもありませんが、これは誤りです。そもそも配送会社が値上げを依頼する場合は、収益が逼迫し、経営に何らかの支障をきたす場合です。大手でも最悪の場合、契約解除もやむなしという姿勢で交渉に臨んでくる場合が少なくありません。物流業界はサービス業であり、競合も多いことから、公共料金の様に頻繁に値上げを行うというわけにはいきません。値上げにはそれなりの覚悟を持って挑んで来る訳です。

値上げにはそれなりの理由があります。先述したように燃料や人件費の高騰、法規制の強化など理由は様々ですが、もし、その情報や予兆を事前にキャッチしていたらどうでしょうか?合理的な理由でやむをえない場合は予算で値上げ分を確保しておくこともできるでしょう。

また、配送会社を変更するなどの事前準備も可能です。

更には現状の配送会社と納品条件の緩和や不満を解消することで値上げを防止、もしくは値上げ幅を抑制することもできるかもしれません。日常的もしくは定期的に密なコミュニケーションをとることは情報取得の目的もありますが、同時にお互いの信頼関係を醸成することにもなります。

お互いの困っている内容を理解していれば、協力できる部分もあるでしょうし、問題を解決してくれた相手にはなかなか頻繁な値上げはしにくいものです。日常的に密なコミュニケーションをとることはお互いのパートナーシップを高めることになり、最終的にはコスト管理にも良い影響を及ぼすと心にとめておいていただければと思います。

自社配送(車両とドライバーを保有)の場合(配送会社の場合)

配送を自社運営で行われている場合、重要なポイントは明確です。答えは経費の全てであることは言うまでもありません。勿論、その構成要素として大きな割合を占めるものは「人件費」と「燃料費」です。良くマスコミでも話題に上るので皆さんもご存知でしょう。

ドライバーの人件費は低い水準だが、当面は値上がり基調が続く

そもそもドライバーの人件費ですが、国土交通省の調査*によると平成30年の平均所得額は大型車のドライバーで457万円、中小型車のドライバーで417万円となっており、全産業平均より約1割~2割低くなっています。

これはバブル崩壊やリーマンショックを得て、物流費の低減が積極的に行われたことが影響していると考えられます。各配送会社の契約単価が軒並み抑えられ、従業員であるドライバーの給与も抑えられたということになります。また、労働環境についても法的規制が厳しくなったことにより、乗れば乗るだけ稼げるといったドライバー神話が崩壊したこともあります。ただし、この部分については長時間労働による多大なる犠牲を払っていた訳ですから、本来あるべき姿になったというべきでしょう。

国土交通省ホームページ掲載令和2年3月自動車局貨物課発表資料より当社にて作成)


しかしながら過去と比較すれば、労働条件は改善されたといえど、ドライバーの業務は重労働であることに変わりはありません。安い給与と重労働となれば、当然人気職種である理由はなく、常に人手不足の状態です。結果として、ドライバーを安定的に確保するためには、給与を高水準に持っていく必要があります。今後も高齢化が進み、ドライバーの不足が解消される見込みはなく、人件費は上昇し続けることでしょう。

「人件費」「燃料費」ともに今後も単価が下がることはないと肝に銘じるべし

同時に不安定要素であるのが、燃料費です。以前は100円以下であった軽油も、今後100円を下回ることなどありません。配送会社の請求項目に元々航空業界用語であった「燃油サーチャージ」という文言も登場することになり、今では珍しくもなくなりました。

軽油販売価格の全国平均

(資源エネルギー庁ホームページ掲載の石油製品価格調査より当社にて作成)

今後も当面、世界情勢の先行き不透明感は克服されないでしょうし、原油の消費量が落ちていけば、生産量を制限することで価格は高止まりをすると予想されます。どちらも経営者からすれば暗い話題であることには間違いありません。

現実的に「人件費」や「燃料費」を完全に抑えることは困難です。トラックでの輸送が完全自動化にでもならない限り、人件費を抑えることはできません。ただし、同時にこれは車両やシステムに対する投資が増加するということを意味しており、全体的に経費が抑えられるという保証はどこにもありません。

単価見直し以外の現場の工夫や抜本的な見直しがコスト削減には必要

燃料も意図的に購入価格を抑えることはできません。ただし、燃料の使用を抑えることはできます。現在も、アイドリングストップやドライバーの操縦をコントロールすることで燃費を抑える取組みは広く行われています。

車両自体も燃費性能が上がった新型車両が販売はされていますが、乗用車の様に、ハイブリッドやEVの様な代替エネルギーの車両はまだまだ導入例が少ないのが実情です。今後も、代替エネルギーの大型トラックがディーゼル車両に勝るまでには相当の時間がかかると推測されます。

その他にも車両性能は上がっているものの、比例して車両の購入金額は上昇しています。保険料も同様です。その他の経費も全業種の人件費が上昇している以上は同様の傾向でしょう。つまり、今後、経費が単純に下がる要素はないのです。

それでも、物流業界で勝ち抜いていくためには

更に、物流業界の厳しい競争環境が変わることはまずないでしょう。その中で勝ち抜いて行くには小さな改善を積みかねていくしかありません。具体的には以下の様な方法が考えられます。

  • ドライバーの運転技術向上とエコ運転の徹底
  • 走行ルートの短縮、見直し
  • 積込みや荷降ろし効率化による時間短縮
  • 燃費性能の高い車両の導入
  • 積載率の向上
  • 待機時間の短縮
  • 管理人件費の抑制(管理部門の作業効率化)

上記には単独で実行できないものもあります。荷主の理解や協力が必要なものもあります。仕事を失うリスクを考えるとなかなか言い出しにくいということもあるでしょうが、粘り強く主張、交渉を続けていくしかありません。また、同様の主張は競合他社もしているはずです。場合によっては情報交換を密に行い、共同で荷主に働きかけていくということも必要です。

値上げは「最終兵器」、交渉には万全の準備を

荷主との交渉ということであれば、そもそも運賃の値上げがあります。

運賃の値上げは諸々の自助努力を色々と施した結果ということになりますので、「最終兵器」となります。その際に重要なのはやはり、相場感の把握です。交渉では自社の契約単価が相場と比較してどのレベルなのかを把握しておく必要があります。また、値上げにはそれ相応の理由と根拠が必要です。

値上げ交渉を行うにあたっては、論理的で丁寧な説明と、できれば資料を提出した方が良いでしょう。それでも値上げを承諾してもらえない荷主もあろうかと思います。もし、妥当な利益を確保できないのであれば、契約を解除する判断も必要だと思います。ご承知の通り、すでに物流業界では車両の不足は深刻です。赤字を垂れ流しても契約を継続するのであれば、新たな荷主を探す方が経営的に効率を高める可能性もあります。

「物流会社向けの営業支援サービス」を活用してみるのもあり

しかしながら、日々の業務に忙殺され、余剰の人員を避けないという問題がある企業も多いと思います。そんなクライアントに、当社では営業支援もさせて頂いています。

  • 自社の契約料金が相場と比較してどの位置にあるのかわからない
  • 値上げをしたいが、提案書が作成できない
  • 新規で営業をかけたいが、人材もノウハウもない

この様な悩みがある場合は是非ご相談ください。物流会社向けの営業支援サービスをご用意しております。

②安全管理

安全管理


安全管理を怠る企業は生き残れない

安全管理について、貴社ではどの様な投資を行っていますか?

ひと時代前までは安全は二の次で、効率やコストが優先されていた様に思います。1999年に東名高速自動車道の東京IC付近にて12tトラックが乗用車に追突する大変痛ましい事故がありました。ドライバーは飲酒運転をしており、幼い子供2人が死亡しました。

ご両親は何とか一命をとりとめましたが、愛する我が子を救えなかった無念は想像を絶します。マスコミも連日報道し、トラック業界全体に批判の目が向けられたことは事実です。この頃から大手物流会社を中心に安全対策が徐々に強められていった様に思います。その後、物流業界ではありませんが、長距離バス運転手の事故が複数回発生したことにより、国土交通省自体も運輸業界全体に対して、運行管理についての規制を強めていきました。

荷主も安全に対する取組みを積極的に行う様になり、安全基準を満たさない物流会社とは契約をしないという風潮が今では一般的になりました。現在ではネットやSNSの普及により、事故や危険運転を行う車やドライバーは一瞬で拡散されます。安全に対する取組を怠った企業はもはや物流業界でも生き残っていくことはできません。

安全管理への投資は必要コストであり、経営リスクを最小化できる

安全管理上のツールにも様々な種類がありますが、ドラレコやデジタコはもはや常識となりました。デジタコについては平成29年からは全ての営業用トラック車両に装着が義務付けられました。

ドラレコは事故発生時の原因追求や事故事例の防止教材としても利用されています。

筆者もドラレコで事故発生時の映像を見たことがありますが、かなり衝撃的な映像です。文章やアニメにはないリアリティがありますので、効果的であろうと思います。また、デジタコはかなり以前より導入されており、ドライバーの運行情報が把握できます。特に走行速度等が把握できますので、危険運転の抑制や燃費の向上につながるものです。

さらに、最近ではドラレコやデジタコが進化し、様々な事故防止機能が付加された商品やサービスも開発されています。例えば事前に走行速度超過や居眠り運転を警告してくれるドラレコやドライバーの健康状態やストレス状態を把握して警告や実績を管理してくれるソリューションもあります。当然、乗用車と同様にトラック車両自体にも自動ブレーキや危険アラーム等の機能が付加されてきています。

しかしながらこれらの安全管理ツールは、コストがかかります。経営者としては頭の痛い所です。日常的な運行管理や安全教育だけで事故防止ができれば良いのですが、リスクをゼロにすることはできません。ゼロにはできませんが、可能性を限りなく抑えていくという意味で一定の投資はやむを得ないと思います。また、今後は高齢者ドライバーの増加も予想されており、突然の病気や誤操作による事故は大きなリスクとなりえます。今後、荷主側からも安全管理に対する取組み状況が契約の前提条件となっていくことは間違いないと思います。

「安全は全てに優先する」
コスト低減とは真逆に思える安全管理ですが、結果的に無駄なコストを発生させないためには必要なコストなのです。

③品質管理


配送における品質管理は一般的に以下を示します。

  • 破損、汚損の防止
  • 誤納品の防止
  • 定時納品、定時集荷
  • 納品ルールの遵守
  • 法令遵守、事故防止
  • ドライバーの態度

ドライバーという仕事は、過酷な肉体労働も伴う厳しい仕事

一般的にドライバーは荒くれ者の一匹狼、細かいことは気にしない、イメージがあるかもしれませんが、現代ではそのようなタイプのドライバーでは上記のような品質項目を維持するのは困難です。配送のドライバーのことをセールスドライバーと呼びますが、物流業界のドライバーは皆これに近しいことを常に要求されているわけです。決して簡単(楽)な仕事ではありません。

破損や汚損、誤納品については荷主よりペナルティを負わされるケースが多いと思います。対策として保険に加入している企業がほとんどだと思いますが、中にはドライバー個人にペナルティを負わせている企業も見受けられます。故意であれば、やむをえないと思いますが、その様なドライバーは稀であり、多くは注意不足や理解不足によるミスです。ドライバーの恐怖心を煽るような教育ではこれらのミスは減ることはないでしょうし、雇用も安定しないでしょう。

対処療法ではなく、トラブルの真の原因を解決するのは経営陣の使命

しかしながら、ドライバー個人のみの責任にしない企業でも現実的には保険料が上昇し、ペナルティの支払いにより業績に大きな影響を及ぼすことになります。更には品質を担保できない企業は荷主に見放されることになり、契約解除の可能性も高まります。品質管理はコストと並び経営に直結する重要な課題なのです。

ミスや事故が発生した際に重要なのは、実績管理と原因特定、対策の立案と実施です。

「今回はまずかったね。次回からは注意してね」

「お前、何をやっているんだ!次やったら責任とってもらうぞ」

残念ながら、慰めたり、怒ったりと感情的な対応だけでは再発は防止できません。我々の経験上、良く見受けられるのは原因の特定が不十分なケースです。原因の特定が不十分な為、効果的な対策がとられていないことが非常に多いです。

例えば事故の原因として「スピードの出し過ぎていたため」という言葉をよく耳にしませんか?

でも、なぜスピードを出してしまったのでしょうか?走行ルートを間違えてしまったのかもしれませんし、積み込みに時間がかかってしまったのかもしれません。ひょっとしたら居眠りをしていたのかもしれませんね。これらの原因に対し、それぞれ、再発防止策は別々となります。本当の理由を特定することでより効果的な対策を実施することができます。

経営者の真剣度で現場のプロが育つ

更に事故の事例を社内の関係者にも周知させることは非常に重要です。
事象の報告のみではなく、原因や対策、自分の身にも起こり得ることであると認識させます。管理と教育はすぐに効果がでるものではなく、辛抱強く、繰り返し実行することが重要です。同時に経営者自身が常に本気で危機感を持ちながら取組む必要があります。

品質の維持は経営に対する影響が大きいことや品質を維持することこそプロの仕事ということを従業員に徹底することが重要です。

品質に関する実績管理(KPI)や品質向上対策の立案、教育については経験やノウハウが必要です。当社でも支援サービスを提供していますので、お悩みの場合は是非ご相談ください。

*本コラム内の用語
路線便業者=主に企業向けに複数荷主の荷物を積み合わせ、全国の各拠点間を経由しながら輸送を実施する運送会社(例:名鉄運輸、福山通運、第一貨物等)、ここでは宅配便とは区別する
EV=Electric Vehicleの略で電気自動車のこと
ドラレコ=ドライブレコーダーの略、車両の前もしくは前後にカメラを装着し、映像を記録する端末
デジタコ=デジタル・タコメーターの略、車両の運行速度や走行時間、走行距離などの運行記録を記録するもの
KPI(Key Performance Indicator)=重要な実績(業績)の管理指標


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