ランニングコストとは、企業あるいは事業において、継続的に発生する費用のことを指します。ビジネスにおいて用いられるコストにはさまざまな種類があるため、具体的にランニングコストがどういったものなのかイメージしづらいという方もいるでしょう。
この記事では、ランニングコストの具体例や削減方法について詳しく解説します。
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ランニングコストとは

ランニングコストとは、企業の活動や事業運営において、日常的に発生する継続的な費用のことを指します。
ランニングコストの中には、企業活動に必須のため売上の有無にかかわらず支払い続けなければならない固定費と呼ばれる支出も含まれます。具体的には、オフィス賃料や光熱費、人件費、通信費などが挙げられます。ランニングコストは、企業の経営状態を把握するための重要な指標であり、適切に管理することで利益を最大化することが可能です。
ランニングコストと混同されやすい言葉にイニシャルコストがあります。
イニシャルコストとは企業活動や事業運営の初期費用として発生する費用のことです。具体例には、設備投資や初期の人材採用費などが含まれます。
ランニングコストは、事業を維持するために必要な費用であり長期的な視点での管理が求められます。
ランニングコストの具体例

ランニングコストとされる費用にはさまざまなものがありますが、いくつか具体的な例を挙げてそれぞれの特徴を説明します。
水道光熱費
水道光熱費は、企業が日常的に使用する水道代、電気代、ガス代などのことです。これらは、オフィス環境の維持や店舗の運営に欠かせないものであり、企業によっては大きな支出となっている場合があります。
また、水道光熱費は季節や使用量によって変動する傾向があり、特に、エアコンや暖房の使用が多い季節には光熱費が大きく増加することがあります。オフィスや店舗の見直しや、効率の良い水道光熱費の管理を行うことで、ランニングコスト削減につながる可能性があります。
仕入原価
仕入原価とは、商品やサービスを提供するために必要な原材料や商品を購入するための費用のことです。特に製造業や小売業では、仕入原価が大きな割合を占めるため、適切な仕入れ先の選定や価格交渉が重要になります。仕入原価を抑えることが利益率の向上につながります。
人件費
人件費は、従業員に支払う給与や手当、社会保険料などのことです。企業の経営において最も大きなコストの一つともいえます。適切な人員配置や業務効率化を図ることで人件費の削減が可能です。また、従業員のモチベーションを維持するための福利厚生費用もこれらに含まれるため、十分に考慮する必要があります。
通信費
通信費は、電話代やインターネット利用料など、業務に必要な通信手段にかかる費用のことです。これには、固定電話や携帯電話の通話料、インターネットプロバイダーの料金、FAXの通信料などが含まれます。
近年は、事業においてインターネットなどの整備が必須となっていますが、企業にとって大きな支出にもなるため、業務の効率化やランニングコスト削減の観点から見直してみるとよいでしょう。
地代家賃
地代家賃は、オフィスや店舗を借りるために支払う賃料のことです。賃貸物件の契約期間中は毎月支払いが発生します。事業を維持するために必要な固定費の一つです。賃料の見直しや、より安価な物件への移転、抜本的なオフィス改革によってランニングコスト削減が可能です。
消耗品費
消耗品費は、事務用品などの消耗品の購入にかかる費用です。コピー用紙や文房具、清掃用品などがこれにあたります。消耗品は定期的に購入する必要があるため、適切な在庫管理やまとめ買いを行うことでコストを抑えることができます。
リース費
リース費は、設備や機器をリース契約で使用する際に発生する費用です。リース契約は初期投資を抑えることができる一方で、長期的にはコストがかさむことがあります。リース契約の見直しや、必要な設備の購入を検討することが重要です。
広告宣伝費
広告宣伝費は、自社の商品やサービスを広めるためにかかる費用です。これには、テレビCMやインターネット広告、印刷物の作成費用などが含まれます。広告宣伝費は売上に直結する重要な投資ですが、効果的なマーケティング戦略を立てることでコストを最適化することが可能です。
損益分岐点とランニングコスト

ランニングコスト削減や費用の適正化を実施する際は、損益分岐点を意識することが大切です。
損益分岐点とは、売上高が固定費と変動費の合計と等しくなるポイントのこと、つまり利益がゼロになる状態を示します。損益分岐点を下回ると赤字になり、上回ると黒字になります。ランニングコストが高いと、損益分岐点も高くなります。したがって、ランニングコストを削減することで、損益分岐点を下げることができ、より少ない売上で利益を上げることが可能になります。
企業は、損益分岐点を把握し、ランニングコストを適切に管理することで、経営の安定性を高めることができます。
損益分岐点については以下コラムで解説しています。
ランニングコストの削減アイディア
ランニングコストを削減するための3つの方法について解説します。
- ペーパーレス化
- リモートワーク
- コンサルタントの活用
ペーパーレス化
ペーパーレス化は、印刷物や紙で管理している書類などを減らし、デジタルデータを活用することでコストを削減する方法です。
これにより、紙代や印刷費用を削減できるだけでなく、保管スペースの確保や情報の管理が容易になるため、業務の効率化につながります。さらに、環境への配慮にもつながるため、企業のイメージ向上にも寄与します。
リモートワーク
リモートワークの導入は、オフィスの維持費や光熱費を削減する効果があります。従業員が自宅で働くことで、オフィスのスペースを縮小し、賃料や光熱費を抑えることができます。また、通勤にかかる時間や費用を削減できるため、従業員の満足度向上にもつながります。
コンサルタントの活用
専門的な知識を有するコンサルタントの力を借りることで、知識や経験をもとにランニングコストの削減策を提案してもらうことができます。外部の視点からのアドバイスは、内部では気づきにくい問題点を明らかにし、効率的なコスト削減を実現する手助けとなります。
プロレド・パートナーズでは、自社のコスト適正化に向けてコスト削減可能性診断は無料で行っております。
まとめ
ランニングコストの把握と見直しは企業にとって重要なもので、定期的に実施すると効果的に働くといえます。
自社でどのようなランニングコストがいくらくらい発生しているのか、削減できないのか検討することが重要です。
ランニングコストを削減・改善できれば、企業にとって良いインパクトが得られる可能性が高いです。
「具体的になにから取り組むべきかわからない」「社内に専門的な人材がいない」とお悩みの企業は、プロレド・パートナーズにご相談ください。
プロレド・パートナーズでは50費目以上に専門のコンサルタントを配置し、様々な業界・業種の企業様のご相談にお応えしてきました。本記事でご紹介したランニングコストの分析をはじめ、業務見直しやコスト削減を通じ、様々な業界・業種の企業様をご支援してきました。ご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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