コストマネジメント

コストリダクションとは?コスト削減との違いや成功のポイントを詳しく解説

近年、多くの企業で自社のコストの削減・縮小の取り組みが行われています。この取り組みの一つに「コストリダクション」があります。コストリダクションとは、企業の活動における戦略的なコストの削減を指します。コストリダクションでは、原価企画や生産過程の効率化を主柱に入れコストの削減を狙い、取り組みが成功すれば、財務的な安定やサプライチェーン全体の最適化などが期待できます。

この記事では、コストリダクションとは何か、コストリダクションのメリット、コストリダクションの進め方、また、コストリダクションを成功させるポイントも解説していますので、参考にしてください。

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コストリダクションとは

コストリダクションとは、「cost(コスト)」と「reduction(削減)」を組み合わせた言葉で、コストの削減を意味します。

主に、企業の活動における戦略的なコストの削減を指すことが多く、コストリダクションでは、製品やサービスの生産過程における無駄の排除、すなわち原価企画の観点でのコスト排除や、効率性向上などが目的の主眼になります。

コストに関する言葉には、「コスト削減」や「コストダウン」といったものもあります。これらとコストリダクションは密接に関連するものと捉えてよいですが、使われ方や定義が少し異なります。

コストリダクションとコスト削減・コストダウンの違い

コスト削減も、コストリダクションと同様に企業の取り組みとして注目されるものです。
これらの違いとして、コスト削減は企業全体のコストを削減するアプローチであるのに対し、コストリダクションは製品やサービスの生産過程などから見直しを図るアプローチということが挙げられます。

コスト削減は現状発生しているコストなど事業を継続するうえで発生する費用の削減を狙うのに対し、コストリダクションは事業の基盤となっている製品製造にかかるコストなど原価改善の考え方も必要とする傾向にあります。

またコストダウンは、言葉の通りコストを下げることであり、コスト削減全般を指すものです。コスト削減やコストリダクションの取り組みの成果として「◯%のコストダウンが図られた」といった使い方をすることがあります。

コストリダクションを実施するメリット

コストリダクションを実施することで、短期・中期・長期にわたってさまざまなメリットが得られます。
主なメリットは次の4つです。

  • 財務的な安定
  • 資源の効率的な活用
  • 従業員のモチベーション向上
  • サプライチェーン全体の最適化

それぞれ詳しく解説していきます。

財務的な安定

コストリダクションにより、無駄なコストが排除されることで企業の支出が減少します。また、コストの減少は会計上の企業の利益にも影響します。コストリダクションの実施前と同じ売上高であっても、コストが減れば実質的な利益は増加するため、企業の財務状況が改善されます。コストリダクションは、財務的な安定を狙う施策としても有効です。

資源の効率的な活用

コストリダクションによって無駄が見直されると、資源をどこに使用するのが最適か検討することができ、必要な部分に集中して資源を投資できるようになります。資源が効率的に活用されるようになると生産性が高まります。

従業員のモチベーション向上

コストリダクションによって業務の無駄の見直しや効率化が図られることで、従業員がより重要な業務に集中できる環境が整います。これにより、従業員の仕事への満足感やモチベーションが向上し、組織全体のパフォーマンスが向上します。

サプライチェーン全体の最適化

先に挙げたメリットから派生し、サプライチェーン全体の最適化も期待できます。

コストリダクションによって無駄が見直され、該当部門や工程が効率的で生産性が高くなるだけでなく、情報が一元化されやすくなる、リスク対策を講じやすくなるといったメリットがあります。コストリダクションは、製造から販売までの事業全体の強化が狙える取り組みです。

コストリダクションの進め方

続いて、コストリダクションの進め方について解説します。

進める際の流れは次の1〜5の通りです。

  1. 現状分析
  2. 改善領域の特定
  3. 目標設定
  4. 実行
  5. 評価と改善

それぞれ詳しく解説していきます。

1.現状分析

まずは現状のコスト構造を詳細に把握する必要があります。具体的には、固定費、変動費、人件費、設備費、その他の経費といったコストに分けて、それぞれどこにどれだけかかっているかを可視化していきます。

2.改善領域の特定

1の現状分析をもとに、無駄を洗い出し、削減できそうなコストを特定していきます。

たとえば、「特定の工程・時期に材料の廃棄が増える」「数年前に導入したものの活用されていないサービスがある」「過剰な在庫を抱えている」といったケースがあります。

3.目標設定

実際に削減していくコストを、現実的かつ具体的な目標として定めます。たとえば、「四半期で◯◯の工程のコストを10%削減する」など、具体的な数値目標であり期間が明確なものが望ましいです。

4.実行

目標をもとに、各部門の協力を得ながら具体策を実施していきます。

進捗状況を定期的にモニタリングし、目標に対する達成度を確認・共有するようにしましょう。進捗度合いによっては、目標を修正する必要もあります。

5.評価と改善

取り組みが終了したら結果を評価し、どの程度の効果があったかを分析していきます。成功した点、改善が必要な点を洗い出し、次のコストリダクションの取り組みに活かします。

「目標を立てる」「実施する」までで終わるのではなく、PDCAサイクルを意識して取り組むことが重要です。

コストリダクションを成功させるポイント

最後に、コストリダクションを成功させるポイントをご紹介します。

コストリダクションをうまく進めるためには、先述の進め方に則り、PDCAサイクルを意識して取り組むことが重要ですが、加えて次のポイントを意識し実行することで取り組みを成功させましょう。

・トップダウンとボトムアップのバランスがよい
取り組みを牽引するリーダーシップと、現場の声を届ける従業員の力それぞれのバランスがよい組織であることがポイントです。コストリダクションの実施には、経営層などのリーダーの力が不可欠ですが、業務にあたる各従業員の声も重要となります。

・各部門間の連携強化
コストリダクションは、一つの部署だけでなく、全社的な取り組みとして進めるべきものです。全従業員がコスト削減の重要性を理解し、協力する体制を整えることが成功の鍵になります。部門間の連携を高めるには、定期的な進捗共有などで、それぞれの意識と他部門への理解を高めることが重要です。

・データドリブンなアプローチ
具体的な目標数値、施策実施後の評価数値など、できる限りデータにもとづいて明瞭な提示をすることが重要です。データドリブンな企業文化がある場合は、課題に対する具体的な解決策が出やすくなります。

・継続的な改善意識の醸成
コストリダクションの取り組みは一度で終えるのではなく、改善点をもとに継続していくことで成果が得られやすくなります。継続的な改善意識を組織全体につくることで、長期的に成功する取り組みになります。

・専門コンサルタントの活用
コストリダクションの取り組みを行う際に、専門のコンサルタントを活用するのも有効な策です。社内にはない専門的な知識が活かされ、また、社外だからこその視点で改善点を挙げてもらうことが可能です。コストリダクションに初めて取り組む企業であれば、社外の専門家に依頼して知見を得ることは特に効果的といえます。得た知見は、その後の社内で蓄え活かしていくことも可能です。

まとめ

この記事では、この記事では、コストリダクションとは何か、コストリダクションのメリット、コストリダクションの進め方、また、コストリダクションを成功させるポイントもご紹介しました。市場変化が激しく、企業間競争も激化している近年、多くの企業にとって組織変革は避けて通れない問題であり、「既存のコストをどうすべきか」は大きな課題です。

コストに関するアプローチはさまざまありますが、長期的に効果を発揮できる抜本的な取り組みとは何なのか、どう進めるとよいのか、お悩みの企業も多いでしょう。コストリダクションが成功すれば、事業全体の最適化と財務状況の安定が期待できます。

プロレド・パートナーズでは50費目以上に専門のコンサルタントを配置し、様々な業界・業種の企業様のご相談にお応えしてきました。本記事でご紹介したコストリダクションをはじめ、業務見直しやコスト削減を通じ、様々な業界・業種の企業様をご支援しています。ご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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