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【連載】『シニアビジネスマーケット』10月号に「財務にインパクトを与えるコスト削減」第12回が掲載されました

シニアビジネスの経営情報誌『シニアビジネスマーケット』10月号に「財務にインパクトを与えるコスト削減」第12回が掲載されました。
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【最終回】コスト削減後に必ず実施すべきこととは!?

これまで11回にわたって、シニアビジネスにおけるコスト削減アプローチを紹介してきました。最終回となる今回は、1度実施したコスト削減の効果を維持し、今後もさらなるコスト削減を実現する方法について紹介します。

コスト削減には成果のアフターフォローが必要

コスト削減に取り組んだ後、効果の継続とさらなる見直しの実現に必要不可欠となるアフターフォローには重要なポイントが2つ、すなわち「削減効果の周知と徹底」と「さらなるコスト削減機会の発掘」があります。

①削減効果の周知と徹底
1度、コスト削減を実施し購買単価を引下げ、現状に最適な契約内容になったとしても、実際にはその効果が当初の期待ほど達成できず、別途追加費用がかかることも少なくありません。そのため、コスト削減により、「実際にいくらの効果が出たのか」「昨年/先月と比較していくら削減できたのか」、等を正確にモニタリングする必要があります。
また、その後時間の経過とともにそのコスト削減効果が消えてしまうことも少なくありません。たとえば、当時の購買単価は安くなったものの、その後の新規契約分は同じサプライヤーでも高い単価で契約してしまい、気付かずに1物2価の状況に陥っている場合もあります。1物2価が生じる理由はさまざまありますが、たとえば該当契約を管理した社員が
突然辞めて引継ぎができていなかったり、ある拠点/施設では単価に変更があったことを把握していなかったり、サプライヤー側での担当者変更によって単価情報を把握できず高い価格で契約した等が考えられます。

②さらなるコスト削減機会の発掘
単価低減だけでなく、使用/発注量の削減にも関連しますが、定期的な削減効果のモニタリングを実施することによって、コスト削減を継続的に実施しつづけるかどうかの判断が可能になります。支払金額だけにとどまらず、定期報告資料を確認し、月次推移や年間推移などを分析したうえで、現在の事業内容、会社規模に必要十分な発注量の把握等も可能と
なります。さらに、組織変動や事業内容の変化に伴う不要な契約を解約する等、迅速かつ柔軟に対応できます。

コスト削減効果のアフターフォローの方法

アフターフォローを実際に現場で推進していくためには、①現状把握(購買モニタリング)、②異常値を発見するアラート機能、③継続的な経費削減活動、の3つの取組みが必要となります。

①現状把握(購買モニタリング)
まず、期待した削減効果が実現されているかを検証する、現状把握(購買モニタリング)の一般的な検証方法は、

コスト削減効果=(「削減前の購買単価」×「直近1年分の発注量」) −(「削減後の購買単価」×「削減後の1年分の想定発注量」)

で計算できます。
 この式だけでは簡単そうに思えますが、実際に検証してみると、支払い総額の中身が電気料金のように「基本料金」「従量料金」「その他各種調整費」「割引調整」などの複数の価格決定要因から構成されている、または消耗品では1つの会計費目のなかに数百〜数千品目の単価がバラバラに入り混じっている等、実務で管理するに当たり、何をどこまで追いかけるのかは意外とむずかしいのが現状です。そのため、モニタリングに必要なデータを整理し、固定化できる部分(=モニタリングする必要がない部分)と、変動する部分(=モニタリング対象となる部分)を定期的に見直して検証する必要があります。

②異常値を発見するアラート機能
 モニタリングを継続的に実施する過程で、想定より削減効果が出ていない、購買単価が上がっている等の問題が発生した場合、いち早くその状況に気付くためにはアラート機能が必要になります。
 その際、まずは単価に関して削減後単価から値上がりしていないか、先月と比較して発注量に異常値やイレギュラーな数字があるのか、更新時期が近づいているのか、など確認する必要があります。また、値上がりや消費量増加が発生した場合は、現場の担当社員にヒアリングを実施し、原因を特定したうえで、購買におけるガイドラインやルールを設定しま
す。加えて、社内/各拠点へ注意喚起するため定期的に発信することによって、知らず知らずのコスト増加を防ぐことができます。

③継続的な経費削減活動
 削減検証におけるモニタリングやアラート機能を活かし、コスト増加の発生を防ぐ一方で、現場のサービスレベルやモノの品質に支障がない程度まで仕様等を定期的に見直し、さらなるコスト削減を実現していきます。特に契約更新時期、事業内容の変化、組織変動などに伴う会社の予算目標、利用用途の変化、組織管理方法の変化などに迅速かつ柔軟に対応
することで、不必要な出費を抑え、みえない削減につながるのです。
 たとえば固定電話の場合、各介護施設がお客様から直接問合せを受けるのではなく、本部で一括して受け付ける体制に変更することで各施設の受付対応負担が減ります。変更に伴って、各施設での回線チャネル数(同時通話可能な数)を減らせば基本料金をより低く抑えることができます。同時に、本部は回線チャネルの基本料金が比較的安いサービスを導入すると同時に、通話料の増加を予測して、契約更新のタイミングでサプライヤーと割引率調整などを行ない、最適な契約内容に変更します(別図)。
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事例にみる『消耗品における 削減効果アフターフォロー』

 これまで述べた方法をイメージしやすくするため、消耗品における削減効果アフターフォローを紹介します。
 まず、現状把握(モニタリング)をするため、マスターデータとして月次の情報を蓄積するExcelデータを作成します。
 具体的には、「商品コード、商品名、規格、仕様、単価、発注数量、金額、事業所名、商品カテゴリー等」の情報に着目し、ピボットテーブル機能を用いて集計を行ないます。このように定期的に集計し、過去の金額と比較しながら削減効果を検証します。
 消耗品において、定期的なサプライヤー側のカタログ改定のタイミングで特別割引商品が廃止になる場合があります。廃止となった商品には代替品が存在しますが、その代替品にも同様の割引率が適用させることはあまりありません。したがって、ユーザー側で定期的(年1回など)に特別割引の対象となっている商品が廃止になっていないかをモニタリングする必要があります。「特別割引商品が廃止となった」場合、代替品への切替えに伴い、その代替品自体の購入総量が増加している場合も多いため、ピンポイントでサプライヤーへ購入単価に関して協議すべきです。
 最後に、購入実績データを基に、前月比で2、3割以上コストが上がっている場合は、その原因が何かを定性・定量の両面から確認します。該当月のデータの集計を行ない、発注数量が不規則に増加している要因を特定し、是正の必要がある拠点や費目については、現場レベルで問合せを行ない、翌月の発注状況を追跡します。
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 コスト削減はこのように奥深く、取組み後にもアフターフォローが必要となり、場合によっては自社だけですべてを完璧に実施することが困難です。専門家の知見が必要な費目と、自社でできる部分を切り分けながら、コスト削減に取り組んでいただければと思います。